06 Jun 2016 | Geneva

STマイクロエレクトロニクス、 測定距離と速度が向上した業界最小のToF測距センサを発表

Geneva / 06 Jun 2016

STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、ToF(Time of Flight)法に基づくFlightSense™技術を採用した第2世代の測距センサであるVL53L0Xを発表しました。これにより、ToF測距センサにおけるSTのリーダーシップがさらに強化されます。

STマイクロエレクトロニクス、 測定距離と速度が向上した業界最小のToF測距センサを発表

VL53L0Xは、測定距離が2メートルに向上しただけでなく、誤差±3%以内という高い精度を特徴としています。また、測距にかかる時間が30ms未満に短縮され、電力効率にも優れています(アクティブ測距モード時の消費電力:20mW、スタンバイ電流:5µA)。さらに、市場における類似製品の中で、最も小型サイズ(2.4 x 4.4 x 1mm)を実現しています。

VL53L0Xは、従来の赤外線近接センサと異なり、ミリメートル単位の高精度な測距が可能で、検知対象物の色彩や反射率の影響を受けません。高速に駆動するFlightSense技術は、トップ・ブランドのスマートフォンのカメラ用レーザー・オートフォーカス機能に使用されていることが知られていますが、センサに向かってくる動きやセンサから離れる動き、左右への動きも識別可能です。距離はセンサ内部で計算され、I2Cで通信されるため、システムのホスト・コントローラ(マイコン)による処理を最小限に抑えることができます。

内蔵されている目に安全なレーザーは波長940nmの不可視光線を放出します。これにより、一般的な赤外線近接センサが持つ赤色発光が除去され、外部光源の干渉に対する耐性が向上します。また、デジタル構造と自動光補正により、周辺光の強い環境で優れた性能を発揮します。

VL53L0Xは、革新的なユーザ・インタフェースにおけるジェスチャ検知機能、ロボット掃除機などのロボット向け各種検知機能(接近検知、壁検知、崖検知、衝突回避機能)、さらには生活家電や洗面用品・設備(水栓、ソープ・ディスペンサ、ハンド・ドライヤー、水洗機能など)のハンズフリー操作といった、さまざまなアプリケーションをサポートします。その他、ノートPCやモニタの自動電源オン/オフのためのヒト検知や、ドローン、IoT機器などにも適しています。

VL53L0Xには、ソフトウェアAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)と、完全なドキュメントおよびサンプル・ソースコードが付属しており、簡単かつ迅速な実装が可能です。開発者は、STの32bitマイクロコントローラ開発ボード「STM32 Nucleo」に、VL53L0Xが搭載された拡張ボード「X-NUCLEO-53L0A1」を接続することで、VL53L0Xの性能を簡単に評価することができます。

VL53L0Xは現在量産中で、12パッドのリフロー型モジュールで提供されます。単価は1000個までのサンプル購入時に約2.30ドルです。量産時の最少発注数量は5000個です。

詳細については、www.st.com/vl53l0x-pr をご覧ください。