STマイクロエレクトロニクス、 スマート・ホームや産業機器向けの超低消費電力電源を実現する 新しい高電圧AC-DCコンバータを発表
Geneva / 19 Jul 2016STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、超低消費電力でシンプルかつ低コストなスイッチング電源(出力電圧:5V)を可能にする高電圧AC-DCコンバータVIPER01を発表しました。VIPER01は、整流されたメイン電源を直接使用して動作することに加え、800Vのアバランシェ耐性を備えたパワーMOSFET、PWM(パルス幅変調)電流モード・コントローラ、および多様な保護回路を集積しており、特に生活家電、住宅・ビル、照明、モーション・コントロールなどに使用される低消費電力アプリケーションや、小型の産業機器・コンスーマ機器に最適です。また、同製品は、常時インターネットやローカル・ネットワークに接続されるIoT機器のマイクロコントローラの補助電源にも適しています。
高電圧AC-DCコンバータのVIPerPlus™ファミリの第2世代品であるVIPER01は、ST独自のBCD(バイポーラ・CMOS・DMOS)プロセス技術を採用しています。BCDプロセス技術は、パワー・トランジスタの堅牢性と信頼性に大きな影響を与えることなく、高性能なPWMコントローラ、高耐圧なロジックレベル制御トランジスタ、保護回路および診断回路の1チップへの集積を可能にします。
VIPER01は、超低消費電力に加え、軽負荷時には自動的にPFM(パルス周波数変調)に切り替わるため、設計者は最も厳格な省電力規格(1) にも対応することができます。各種コンバータ・トポロジ(フライバック、バック、およびバックブースト)に使用できる一方、高耐圧スタートアップ回路、センスFET、エラーアンプ、ジッタ付きオシレータを内蔵しているため、最小限の外付け部品点数で完全な機器設計が可能です。
特徴
- 非常に広範な入力電圧VACに対応する800Vアバランシェ耐圧のパワーMOSFET
- 高耐圧スタートアップ回路とセンスFET内蔵
- 電流モードPWMコントローラ
- ドレイン電流制限による保護
- 広範な電源電圧(4.5~30V)
- 補助巻線や補助バイアス用部品が不要の自己給電機能
- EMIフィルタコストを低減するスイッチング周波数ジッタ
- エラーアンプ(基準電圧1.2V)内蔵
- 自動リスタート機能つき各種保護機能(過負荷/短絡保護、ラインOVPまたは出力OVP、最大デューティ・サイクル・カウンタ、VCCクランプなど)
- サーマル・シャットダウン機能内蔵
- システムの信頼性を向上させるソフト・スタート内蔵
VIPER01には、評価キット、アプリケーション・ノート、SPICEモデルなどのツール一式が付属しており、より堅牢で安全かつ低コストなスイッチング電源の設計を簡単に始めることができます。
VIPER01は現在量産中で、単価は1000個購入時に約0.364ドルです。
詳細については、www.st.com/viperplus をご覧ください
(1)米国のEnergy Starやヨーロッパのエコデザイン指令(EuP、Lot 6 tier 2)など