24 May 2018 | Geneva

STマイクロエレクトロニクス、ヨーロッパの電力会社向けにセキュリティ規格の認証を取得した次世代セキュア・マイコンを発表

  • 最新のデジタル・セキュリティ機能を集積した新しいSTSAFEセキュア・マイコンが、ネットワークに接続されたIoT機器の安全性を維持
  • セキュアなスマート・メータ、データ・コンセントレータ、およびゲートウェイの開発期間を短縮するターンキー・アプレット
  • ŸCommon Criteria EAL5+とフランスのスマート・メータ市場向けENEDIS規格の認証を取得
  • ドイツのスマート・メータ市場向けにBSI規格(BSI-DSZ-CC-1037-2018)の認証を取得
Geneva / 24 May 2018

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、最新のデジタル・セキュリティ技術をワンチップに集積したセキュア・マイコンを発表しました。同製品は、Smart Thingsや公共インフラ用ネットワークを、サイバー攻撃などの脅威から保護します。

STマイクロエレクトロニクス、ヨーロッパの電力会社向けにセキュリティ規格の認証を取得した次世代セキュア・マイコンを発表

STSAFE-J100セキュア・マイコンは、ネットワーク接続機器に最先端のセキュリティを組み込むことを主眼に、変更不可能なIDを機器に割り当てることで、真正性の証明を可能にするほか、暗号通信の処理とセキュアなデータ保存も実現します。また、同製品は、スマート・メータ、データ・コンセントレータ、ユーティリティ・ゲートウェイなどのIoT機器に簡単に実装することができます。STSAFE-J100は、市場に応じたアプレットでカスタマイズできるほか、CC EAL5+(1) の認証を取得したハードウェアおよびセキュア・オペレーティング・システムを統合しています。設計者は、同製品の自由度を活かして、独自にセキュリティ・プロファイルを作成することができます。また、ドイツの情報セキュリティ庁(BSI)やフランスのEnedis社のスマート・ユーティリティ規格の認証を取得しているSTのプロファイルを使用して開発期間を短縮することも可能です。

STは、電子政府、交通機関、金融機関、およびコンスーマ機器向けに年間10億個以上のセキュア・マイコンを出荷しており、世界中の機器・ネットワークの保護に貢献しています。STSAFE-J100は、堅牢かつ使いやすいハードウェア・デジタル・セキュリティにおけるSTの実績をさらに拡大します。

STのセキュア・マイクロコントローラ事業部マーケティング・ディレクターであるLaurent Degauqueは、次のようにコメントしています。「現在のオンライン・サービスとネットワーク接続機器には、進化を続けるサイバー攻撃の脅威に対して、高水準の保護機能が必要とされています。実装の手間を最小限に抑えた最先端のセキュリティを機器メーカーに提供することが重要です。高い柔軟性を有するSTSAFE-J100は、優れた性能と最新の暗号化アルゴリズム、そして重要なスマート・メータ市場であるドイツとフランスのセキュリティ・プロファイルを含む最新のセキュリティ規格に対応することで、新たな水準を確立します。」

STは、セキュア・マイコンのパーソナライゼーション・サービスを提供しています。これにより、ユーザはSTSAFE-J100の柔軟性を最大限に活用できると共に、脅威に対する強力な保護が実現できます。セキュア・マイコンそれぞれに固有のIDと暗号鍵を割り当てるパーソナライゼーション・サービスは、複製やハッキングに対して耐性のある信頼性の高いハードウェアを実現するためのセキュア・マイコンの基本原理です。STのサービスは、安全性とコスト・パフォーマンスに優れ、暗号鍵や機密情報の暴露を防止するとともに、プログラム済みのセキュア・マイコンを提供することで、セキュア・プログラミングにおけるユーザの負荷を緩和します。

STSAFE-J100は、VFQFPN32(5 x 5mm)、SO8N(6.0 x 4.9mm)、UDFN8(4.2 x 4.0mm)の各種パッケージで提供され、メイン・システム基板上の実装面積を最小化します。価格およびサンプル提供については、STのセールス・オフィスまたは販売代理店までお問い合わせください。

注記
STSAFE-J100は、STの組込みセキュア・マイコンであるKerkeyと後方互換性があるため、ソフトウェア資産や設計ノウハウなど、ユーザが行ってきた開発投資をそのまま活用することができます。この新しいセキュア・マイコンには、データ保存用のメモリ(最大66KB)が追加されているとともに、専用ハードウェア・アクセラレータを内蔵した高性能の最新マイクロコントローラ(マイコン)を活用して、暗号化アルゴリズムをより高速で実行します。

この新しいハードウェアで動作する最新のJavaCardセキュアOS(Version 3.0.4 Classic、GlobalPlatform対応)が、鍵共有利用アクセス制御(PACE : Password Authenticated Connection Establishment)プロトコルを含む先進的なセキュリティ機能を実現します。STSAFE-J100は、STの暗号化ライブラリ(DES/3DES、RSA、ECC、AES、SHA-1、SHA-256、SHA-512、CRC32およびCRC16など)を活用することで、最高水準の電子機器向けセキュリティ規格であるCommon Criteria(CC)EAL5+の認証を取得しています。また、最新のPublic-Key Cryptography Standards(PKCS #11)に適合するミドルウェアが、クラス最高のセキュリティ技術に準拠した同製品をさらに強化します。

プロテクション・プロファイルをJavaCard OS上のアプレットとして動作させることで、個々の市場からの要求やユース・ケースに応じて迅速にカスタマイズすることができます。STSAFE-J100は、ユーザ独自のアプレットを搭載することに加え、STの既存アプレットから選択して実装と認証の手間を大幅に削減し、開発期間を短縮することも可能です。STは、STSAFE-J100で利用可能な認証取得済みアプレットの選択肢を拡大しました。汎用アプレットのほかに、最新のBSI-CC-PP-0077-V2とEnedisのプロテクション・プロファイルに準拠したアプレットが含まれており、ユーザは、ドイツおよびフランスのスマート・ユーティリティ市場を対象としたソリューション向けの設定を迅速かつコスト効率よく実施することができます。

また、STSAFE-J100の開発エコシステムには、ターンキー・アプレットとパーソナライゼーション・サービスに加え、STS-J-PROGQ32ELx開発ボードが用意されており、汎用マイコン用の開発ボードを使用して同製品を操作することができます。STSAFE-J100には、包括的なドキュメント、ソフトウェア・ライブラリ、ドライバ、テスト・ツール、および機器のパーソナライゼーションに役立つコード・サンプルが同梱されています。

(1) CC EAL:Common Criteria Evaluation Assurance Level (評価保証レベル): IT機器におけるセキュリティの定義と評価に関する国際標準(ISO/IEC 15408)フレームワークです。保証レベルには1(機能テストの保証)から7(形式的な設計の検証およびテストの保証)の範囲があり、EAL5+は市販用途/民生用途に適用される最も高いレベルの1つです。

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