07 Jul 2016 | Geneva

STマイクロエレクトロニクス、 超低消費電力マイコン STM32L4シリーズの 開発エコシステムおよび新製品を発表

Geneva / 07 Jul 2016

STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、低消費電力かつ高性能な32bitマイクロコントローラ(マイコン)であるSTM32L4シリーズ向けの新しい開発エコシステムと、各種パッケージおよびメモリ容量からなる同シリーズの5つの新製品ラインを発表しました。

STマイクロエレクトロニクス、 超低消費電力マイコン STM32L4シリーズの 開発エコシステムおよび新製品を発表

STM32L4の開発エコシステムは、無償かつ使いやすいSTM32Cubeプラットフォームに基づいて拡張されました。この開発エコシステムは、超低消費電力設計に最適な電力シミュレーション機能を搭載した初期設定ツール STM32CubeMX(コード・ジェネレータ、コンフィギュレータ)と、ミドルウェア・コンポーネント、Nucleo-32ボード・サポート・パッケージ(BSP)、ハードウェア抽象化レイヤ(HAL)、およびロー・レイヤ・アプリケーション・プログラム・インタフェース(LLAPI)を含むSTM32CubeL4パッケージで構成されています。非常にスリムなNUCLEO-L432KCは、小型パッケージ(QFN/32ピン)で提供されるマイコンを搭載した初のNucleo-32ボードです。このボードは、STM32L432KCU6マイコン(パッケージ : UFQFPN32)を搭載し、ARM® mbed™オンライン・ツールに直接アクセスできるため、新規プロジェクトを迅速に開始することができます。Arduino Nanoに対応したピン配置によって機能拡張が簡略化され、同ボード上に搭載されているST-LINKデバッガ/プログラマがマス・ストレージをサポートすると共に、個別プローブ不要のデバッグを可能にします。

5つの新製品ライン(STM32L43xSTM32L44x)は、内蔵USBコントローラ、LCDコントローラ、およびセキュリティ暗号化機能など、さまざまな機能を組み合わせた多様な製品ラインアップで構成されています。最大80MHzで動作するARM® Cortex®-M4Fを搭載しながら、最大256KBと比較的小容量のFlashメモリと、少ピン・パッケージの選択肢があるため、コスト重視のアプリケーションに理想的です。また、真乱数発生器(True Random-Number Generator:TRNG)を含む強力なデジタル・ペリフェラルや、12bit ADコンバータ(5Msps)、内部電圧リファレンス、超低消費電力コンパレータなどのスマートなアナログ機能も内蔵しています。

すべての製品が、アナログ・ペリフェラル、USB回路、および入出力ポートへの独立した電力供給を行う個別電源電圧領域などの特徴を持つFlexPowerControl(FPC)を含む、STの革新的な低消費電力技術を活用しています。また、Batch-Acquisition Mode(BAM)が電力効率の高いデータ取り込みを可能にし、サブモードを含む7種類の低消費電力モードによって、様々な動作条件下で消費電力を最小化することができます。

STの低消費電力技術と32bit ARM® Cortex®-M4Fプロセッサの組み合わせは、EEMBC™ ULPBench™テストにより、確実に高効率性を実現できることが実証されています。STM32L433は、3.0Vで降圧コンバータを使用せずに、177 ULPMark™-CP(1)という高い電力効率を達成しています。また、STの革新的なART アクセラレータ™の活用により、最大273 CoreMark®の高い処理性能を実現しています。

STM32L4シリーズの新製品ラインは、非常にコンパクトなWLCSP(3.14 x 3.13mm)をはじめ、QFN-32(5 x 5mm)およびLQFP-100(14 x 14mm)などの小型パッケージを含む幅広いパッケージ・ラインアップで提供されます。STM32L431KBU6(QFN-32パッケージ、Flashメモリ:128KB、SRAM:64KB)の参考サンプル価格は、約2.045ドルです。

(1) ULPMark-CP:マイコンにおける電力効率のスコアは、「1000 ÷10 ULPBenchサイクルの1秒当り平均電力の中央値」で算出され、数値が大きいほど高効率になります。