09 Apr 2018 | Geneva

STマイクロエレクトロニクス、電力変換効率と安全性の最新規格に対応した設計を簡略化する高集積デジタル電源制御ICを発表

Geneva / 09 Apr 2018

STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、現在の最も厳しい環境設計基準(1)に対応するデジタル電源制御ICのSTNRG011を発表しました。同製品は、コンピュータ、LED照明、医療機器、通信機器、産業用機器などに使用される電源・アダプタ(90W~300W)の開発の簡略化および迅速化に貢献します。

STマイクロエレクトロニクス、電力変換効率と安全性の最新規格に対応した設計を簡略化する高集積デジタル電源制御ICを発表

STNRG011は、ダブルエンド型LLC共振ハーフブリッジ・コントローラとマルチモードの力率改善回路(PFC)コントローラを搭載し、クラス最高の制御アルゴリズムで動作するデジタル・コアによって制御されます。STのSMED(State Machine Event Driven)技術を活用した内蔵デジタル・ペリフェラルと独自のアナログ・ハードウェアにより、制御ループの性能が向上し、優れたダイナミック応答性を実現します。また、不揮発性メモリが内蔵されているため、アプリケーション専用のパラメータを保存しておくことも可能です。

STNRG011は、デジタル制御とプログラミングの柔軟性により、すべての負荷範囲で効率と性能を最適化できるとともに、バースト・モード動作を活用して軽負荷時の効率を最大化することができます。また、2ピンのUART/I2Cポートを有しており、ホスト・システムから電源の監視と制御が可能です。.

さらに、LLCゲート・ドライバ、PFCゲート・ドライバ、高電圧起動回路(800V)、ライン検出などの機能も集積されているため、設計のさらなる簡略化に加え、信頼性と耐久性の向上、製品サイズの小型化、ならびに部品点数の削減が可能です。また、Xキャパシタ放電回路を搭載しているため、オーディオ・ビジュアル機器やICT機器向けの安全規格であるIEC 62368-1への準拠が簡単になります。IEC 62368-1は、60950と60065の規格を引き継いで作成された米国とEUにおける最新の安全規格です。

また、STNRG011には過電圧、過電流、減電圧、サージ、フィードバック切断、アンチ・キャパシティブモード保護、ブラウンアウト保護、ソフトスタートといった、LLCおよびPFC回路の包括的な保護機能も搭載されています。

STNRG011は現在量産中で、SOパッケージ(20ピン)で提供されます。単価は、1000個購入時に約1.42ドルです。

詳細については、www.st.com/STNRGをご覧ください。

(1)   コンピュータに要求されるENERGY STAR® ver. 6.1やEUの行動規範(CoC)Tier 2など