STマイクロエレクトロニクス、コネクティビティやスマート・ビルなどのアプリケーションにおいて新しい100W PoE規格を可能にする先進的なチップセットを発表
Geneva / 03 Apr 2019
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、最新のPoE(Power-over-Ethernet)規格であるIEEE 802.3bt を利用して、小型かつ信頼性の高い受電デバイス(PD)を迅速に開発することができる、新しいチップセットを発表しました。
PM8804およびPM8805は、最大71Wのパワー・バジェットを規定しているclass-8までのPDに対して、PoEコンバータ回路を提供します。このSTの新しいPoEチップセットは、次世代通信機器(5G用「スモール・セル」、WLANアクセス・ポイント、スイッチ、ルーターなど)の省スペース化、信頼性向上、および開発期間短縮に貢献し、スマート・ビルやスマート・オフィス向けのさまざまな機器(IPカメラ、入退室管理システム、ディスプレイ・パネル、照明、カーテンやシャッターの制御、ビデオ通話システム、IP電話、据え置き型コンソールなど)に最適です。
PM8804は、高効率アクティブクランプ・フォワード・トポロジのためのデュアル・ローサイド・ゲート・ドライバを内蔵した、48V絶縁型フライバック・コンバータまたはフォワード型コンバータ用のPWMコントローラを完全搭載しています。動作周波数を最大1MHzの範囲まで選択できるため、高電力密度用に小型の外付けフィルタやデカップリング用部品を使用できます。また、PM8804は20mAの出力能力を持つ高電圧起動レギュレータを搭載しており、基板面積と部品点数の削減が可能です。
コンパニオン・チップであるPM8805は、2個のアクティブ・ブリッジ、ハイサイドMOSFET駆動用のチャージ・ポンプ、ホットスワップFET、およびIEEE 802.3bt準拠のインタフェースを内蔵しています。アクティブ・ブリッジを集積したことで、8個のディスクリートMOSFETおよび駆動回路が不要になるため、基板面積を削減できます。また、パワー・グッド信号の生成により、PM8804やLEDドライバなどの回路を有効化できるとともに、Maintain Power Signature(MPS)による電流制御をすることで、PDの接続を切断することなく省電力スタンバイ・モードに切り替えることができます。
両製品は現在量産中です。PM8804は、VFQFPN-16パッケージ(3 x 3mm、0.5mmピッチ)で提供され、単価は1000個購入時に約0.60ドルです。PM8805は、熱効率に優れたVFQFPN-43パッケージ(8 x 8mm、露出パッド付き)で提供され、単価は約4.50ドルです。