STマイクロエレクトロニクス、省スペース化、開発期間短縮および部材コスト低減に貢献するシングル・シャント対応ブラシレスDCモータ・コントローラを発表
Geneva / 06 May 2019STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、コスト効率の高いシングル・シャント電流検知に対応したブラシレスDCモータ・コントローラであるSTSPIN32F0Bを発表しました。同製品により、プログラム可能なモータ・コントローラ・ファミリ STSPIN32が拡充されます。また、このモータ・コントローラは、市場が成長しているバッテリ駆動の電動工具に最適なオールインワン・ソリューションです。
STSPIN32F0Bは、シングル・シャント電流検知用に1チャネルのオペアンプを内蔵しており、また、追加のI/O端子をユーザ機能用に使用することができます。同製品は、32bitマイクロコントローラ(マイコン)であるSTM32F031x6*(48MHz駆動)を搭載しており、120°通電制御アルゴリズムと同時に、その他のアプリケーション・レベルの機能を動作させることができます。
また、STSPIN32F0BにはGPIO端子が20チャネル搭載されているため、最大5チャネルの汎用タイマと12bit A/Dコンバータ、温度センサなど、内蔵されているマイコンの機能を簡単に利用することができます。内蔵マイコンには、I2C、UART、およびSPIポートも搭載されています。
STSPIN32F0Bには、モータ駆動用の外付けパワーMOSFETに対して、最大600mAのゲート駆動電流を供給可能な3相ハーフ・ブリッジ・ゲート・ドライバが内蔵されています。さらに、3.3V DC-DCバック・コンバータと12V LDOにより、マイコン、ゲート・ドライバ、および外付け部品に給電する電圧レールを実現しているため、部材コストが削減され、システム全体の効率が向上します。
そのほか、信頼性の高い起動・保護メカニズムを実現するためのブートストラップ・ダイオードが搭載されており、要求レベルの高い産業機器においても堅牢な動作が可能です。こうした保護機能には、すべての電源におけるリアルタイムのプログラム可能な過電流保護、貫通/ シュート・スルー保護、減電圧ロックアウト(UVLO)および過熱保護が含まれます。
STは、STSPIN32ファミリを使用したシステム開発を簡略化かつ合理化する包括的な開発ツール(ハードウェア、ソフトウェアおよびファームウェア)の一部として、センサ付きまたはセンサレスのブラシレスDCモータを制御するための120°通電制御アルゴリズムを提供しています。さらに、内蔵されているSTM32マイコンのブートローダを利用して、ファームウェアを無線通信(OTA)で更新できるため、柔軟性が大幅に向上し、利用コストも低減されます。
STSPIN32F0Bは、6.7Vから45Vまでという広範な電源電圧範囲により、わずか2個のリチウム・ポリマー(LiPo)セルで給電する携帯型機器も含め、幅広い電子機器に使用することができます。マイコンに給電するDC-DCコンバータ以外のすべての回路を無効にするスタンバイ・モードを備えているため、モータのアイドル状態時には電力を節約し、バッテリ消費を抑えることができます。
STSPIN32F0Bは現在量産中で、小型QFNパッケージ(7 x 7mm)で提供されます。単価は、1000個購入時に約1.605ドルです。同製品は、ドイツ・ニュルンベルクで開催されたPCIM Europe(2019年5月7日~9日)のSTブース(Hall 9/429)において展示されました。
詳細については、www.st.com/stspin32f0b-prをご覧ください。
*STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています。