STマイクロエレクトロニクスの優れた防水性を持つ大気圧センサが、Samsung社の高性能ウェアラブル機器に採用
- あらゆる場所で装着できるウェアラブル機器向けにクラス最高の精度と安定性を持つ10気圧防水大気圧センサ
- Samsung社が2017年秋発売のGear Fit 2 Proに採用
- 先進的なチップ設計と防水性ジェルの充填により、優れた性能と出荷までの期間短縮を実現
多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、水中での測定精度を向上させた最新の小型大気圧センサが、Samsung社の「Gear Fit 2 Pro」に採用されたことを発表しました。
スマート・ウォッチや携帯型フィットネス機器などのウェアラブル機器は、私たちの日常生活で幅広く活用されており、スポーツ(水泳など)でのパフォーマンス測定にも用いられています。Samsung社の次世代スポーツバンド「Gear Fit 2 Pro」は、GPS機能や心拍数の継続的な測定機能のほか、スマートフォンに未接続でも多くの処理が可能な大容量メモリを搭載しています。同製品に採用されているSTの新しい防水大気圧センサLPS33HWは、塩素、臭素、塩水などに耐性があり、プールや海での使用に最適です。また、石鹸や洗剤にも耐性があるため、シャワー中や清掃中の使用も可能です。
ウェアラブル機器が水泳中の利用にも対応し始めたことで、防水大気圧センサには、電子部品の保護以上の役割が要求されています。LPS33HWは、非常に高精度なだけでなく、はんだ付け工程で受ける精度に対する影響から素早く回復するため、機器メーカーはこれまでよりも短期間で製品を出荷できます。競合製品を搭載する機器では、製造工程が完了してから精度が完全に回復するまでに最大7日間かかる一方、LPS33HWを採用した場合は、その半分以下の期間で動作させることができます。これは、同センサに内蔵された高性能プロセッサと、耐水性ゲルを充填した先進的な構造によるものです。
STのMEMSセンサ事業部ジェネラル・マネージャであるAndrea Onettiは、次のようにコメントしています。「防水大気圧センサLPS33HWは、私たちの生活をよりスマートにするウェアラブル機器の耐久性向上に役立ち、その重要性をこれまで以上に高めます。Samsung社は、この大気圧センサのクラス最高の性能をGear Fit 2 Proに活用しています。同製品のユーザが、その精度と堅牢性を高く評価することを期待しています。」
ウェアラブル機器などのコンスーマ機器に加え、産業用センサや公共料金メータなどにも、LPS33HWの堅牢性と高い測定精度が役立ちます。この10気圧防水の大気圧センサは、最大水深90メートルまでの水圧に耐える非常に低いRMS圧力ノイズ(0.008hPa)を特徴としており、高度測定や気象モニタなどのシステムの一貫して安定した計測を可能にします。センサ精度の経年変化は、1年あたり±1hPa未満です。
回路基板へのはんだ付け工程が精度に与える影響は±2hPa未満で、72時間以内に正常値に回復します。これは、同様の防水大気圧センサに比べて非常に早い回復時間です。
LPS33HWは現在量産中で、Oリング・シールの使用に最適な円筒形メタル・パッケージ(3.3 x 3.3 x 2.9mm)で提供されます。単価は、1000個購入時に約4.50ドルです。