27 Sep 2017 | Geneva

STマイクロエレクトロニクス、ネットワーク接続機器の開発を加速させるBluetooth®メッシュネットワーク用ソフトウェアを発表

  • スマート照明などのネットワーク接続型機器と、制御用スマートフォン・アプリが開発できるオールインワンのソフトウェア・パッケージ
  • Bluetooth SIGオフィシャル メッシュネットワーキング仕様への対応により、最終製品の 相互運用性を確実にし、使いやすさと市場訴求力が向上
Geneva / 27 Sep 2017

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、最新のBluetooth®無線ネットワークを使用して、スマートフォンから制御可能なネットワーク接続型機器の開発に向け、新しいソフトウェアを発表しました。

STマイクロエレクトロニクス、ネットワーク接続機器の開発を加速させるBluetooth<sup>®</sup>メッシュネットワーク用ソフトウェアを発表

Bluetoothの標準化団体であるBluetooth SIG(Special Interest Group)は、メッシュネットワークを規格化したBluetooth 5の仕様を発表しました。これにより、多数の機器間での相互通信が可能になるほか、携帯電話から多数の機器に直接接続することもできます。また、現在発売されているすべてのスマートフォンが、ゲートウェイやルータを経由することなく、Bluetooth メッシュネットワーク上の機器と接続できるため、スマート照明、ビル自動化システムのほか、IoTアプリケーション(周辺環境の検出、産業モニタリング、アセット・トラッキングなど)を簡単に制御できるようになります。

業界標準であるBluetooth 5のメッシュネットワークにより、さまざまな機器メーカは相互通信できる製品を開発し、ユーザは柔軟かつ自由に機器を選択できます。STのBlueNRG-MESHソフトウェア開発キット(SDK)は、ネットワーク接続型機器と、制御用スマートフォン・アプリの開発を可能にします。同製品は、現状で業界唯一となる3部構成のSDKとして、Android用およびiOS用の2つのアプリ開発用パッケージと、スマート機器(照明設備やセンサなど)の開発に対応する組込みシステム開発用ソフトウェアを提供します。これら3つのパッケージは、BlueNRG-MESHソフトウェアに対応済みのSTのBluetooth® low energy ICであるBlueNRGファミリの製品を使用したアプリケーションを動作させるために必要な、あらゆるソフトウェアを提供します。

STのアナログ・MEMS・センサグループ 社長であるBenedetto Vignaは、次のようにコメントしています。「Bluetooth 5は、IoT市場で非常に大きな影響力を持つようになるでしょう。そして当社は、メッシュネットワークのような重要な新技術に対応したソリューションを提供するために、大きな投資を行ってきました。新たにBlueNRG-MESHを加えたSTのBlueNRGポートフォリオは、スマート家電や照明のような身の回りのあらゆるモノがインターネットにつながるSmart Thingsの時代をリードします。そして、豊富な機能とスタイリッシュなユーザ・インタフェースを持つスマートフォン・アプリで、安全で便利な機器操作を実現します。」

BlueNRG-MESH SDKは、深センで開催されるBluetooth Asia 2017(9月26~27日)においてデモが実施されました。このソフトウェアは特定顧客向けに提供中で、2017年第4四半期に提供が開始される予定です。

注記
Bluetooth SIG
がリリースした最新のBluetooth MeshBluetooth low energyは、先進の128bit AESワイヤレス・セキュリティやスマートフォンを使用したネットワーク・アクセスなどのメリットを実現しながら、Bluetoothを強力なIoT通信技術に変化させます。Bluetooth Meshは、Bluetooth 5の包括的な仕様の一部であり、データ量の少ないパケット通信(照明の調光、スイッチのオン / オフ、センサ情報、機器のIDなど)に最適化されています。ネットワークには最大32,000以上のノードを接続できるとともに、最大126ホップまで中継が可能なため、メッセージをネットワーク全体に伝送できます。これにより、オフィス・ビルや工場のような広いエリアの全域に機器が分散している場合でも、1台のスマートフォンでネットワーク上にあるすべての機器と通信することができます。集中管理用タッチ・パネルなどの組込みコントローラをネットワークに含めることも可能です。

STのBlueNRG-MESH SDKは、Bluetooth low energyアプリケーション・プロセッサ(BlueNRG-1、またはBlueNRG-2)やBluetooth low energyネットワーク・プロセッサ(BlueNRG-MS)を使用した、Bluetooth メッシュネットワーク・ノードの開発をサポートします。組込みシステム用のSDKには、ハードウェア・アブストラクション・レイヤやボード・サポート・パッケージを含むドライバ・レベルのソフトウェア、BlueNRG-MESHライブラリやBlueNRGコア・スタックなどのミドルウェア、そしてセンサやLED照明用のサンプル・アプリケーション・コードが含まれます。

Bluetooth無線とARM® Cortex®-M0プロセッサを集積したBlueNRG-1およびBlueNRG-2は、スマート機器向けの1チップ・ソリューションです。これらは、最高動作温度が105°Cのため、照明機器に最適です。BlueNRG-MSは、これとは別のホスト・コントローラを使用して動作させるため、既存の製品にSTBluetooth low energy無線ソリューションを追加できるとともに、SDKを活用して柔軟にBluetooth メッシュネットワークを実装することができます。

Android用およびiOS用のパッケージには、コア・スタックとサンプル・アプリケーションが含まれており、ネットワーク上の機器の設定や制御が可能なスマートフォン用アプリの開発に役立ちます。スマート照明を導入する場合には、照明の追加や削除、ネットワークへの新規登録、照明のグループ化、制御プログラム作成、ジェスチャ・コントロール(タップやシェイク)などの機能を含めることもできます。

STは、BlueNRG-1/BlueNRG-2開発ボード、Blue-NRG-MSを搭載したSTM32 Nucleo拡張ボードなど、製品開発を効率化するあらゆるハードウェアを提供中です。