STマイクロエレクトロニクスは、ARM7コアに基づく産業用32bitマイクロコントローラを発表
ジュネーブ発 / 04 Oct 2005
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、ARMコアに基づいたマイクロコントローラ・ファミリとしてSTR730Fシリーズを発表しました。このシリーズは、産業用(ファクトリー・オートメーション、電気機器、検査測定装置、POS端末、セキュリティ・システムなど)に最適化され、性能 / 費用効果の高い既製の32bitマイクロコントローラの需要の増大に応えるために開発された製品です。このSTR730Fファミリは、単一の5V電源レールが安定した動作と特に耐ノイズ性を必要とする産業用途に適したARMベース・マイクロコントローラです。本デバイスは-40℃から+105℃におよぶ広範囲の動作温度をカバーし、産業用にカスタマイズされた豊富な周辺回路が内蔵されているため、競争の厳しい上記の用途でさらにコストを削減できます。
新しいマイクロコントローラ・ファミリは、複雑な産業用途においてメイン・コントローラ機能を実装するように設計されています。そのために、32MIPSのARM7TDMI RISCプロセッサ・コアによる非常に高い性能、最大256KByteの内蔵Flashプログラム・メモリに対する高速アクセス(ゼロ・ウェイト・ステイト)、複雑な用途でのCPU負荷を大幅に低減する16チャネルDMA機能がデバイスで提供されます。また、3つの独立したCANコントローラ、高速(3μs)の16チャネル / 10bitADC、単相または三相モータを複数駆動できる最大16個のPWM(パルス幅変調)出力、業界標準のシリアル通信インタフェースへの完全準拠、リアルタイム・クロックなど、内蔵された豊富な周辺回路により、ほとんどの用途で外部周辺デバイスが不要となります。
STのマイクロコントローラ部門ジェネラル・マネージャであるJim Nicholasは、次のように述べています。「新しいSTR730Fファミリは、SoC(システム・オン・チップ)ソリューションや標準マイクロコントローラ製品へのARMコアの統合で世界をリードしてきたSTの実績と、幅広い産業市場のお客様に完全なシステム・ソリューションを提供する間にSTが培った長年のノウハウを土台に生み出されました。既存のSTR710デバイスを補完することで、STR730FファミリはSTならではの能力を再び実証してくれました。すなわち、プロセス、回路、システム、アプリケーションに関する業界で最も幅広い専門的知識を駆使し、重要な要求の増大に応えるユニークな製品を提供できるという強みです。」
STR730Fファミリの主な特徴は以下のとおりです。 1) さまざまな開発ツールで強力にサポートされている業界標準の高性能ARM7 RISCコア。2) STによる高水準の技術に基づいた内蔵Flashメモリ。当初のファミリでは、64KByte~256KByte構成が提供されます。3) 豊富な内蔵周辺回路。4) TQFP144(20×20)、TQFP100(14×14)、非常に小型のBGA144(10×10)のパッケージ・オプション。5) 2つの内蔵電圧調整器と5つの低電力モードによる消費電力の最小化。
他のすべてのST製マイクロコントローラ製品と同様に、STR730Fファミリは、ハードウェア / ソフトウェアの評価と開発を支援し、広範なオンライン・アプリケーション・サポート(ソフトウェアとライブラリの無償ダウンロードなど)を提供するプラットフォームに含まれます。
現在STR730Fデバイスのサンプルを提供しており、10,000個発注時の価格はSTR736FV0(TQFP100、メモリ・サイズ64KB、CANなし、4×UART、12×PWM)が4.53米ドル、STR730FZ2(TQFP144、メモリ・サイズ256KB、3×CAN, 4×UART、16× PWM)が8.99米ドルとなっています。
STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに半導体製品やソリューションを開発・提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、他社の追随を許さない高度なシリコン技術とシステムノウハウを擁しており、幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力との組み合わせにより、SoC(システム-オン-チップ)技術に関し世界的リーダーとしての地位を確立しています。またSTの半導体製品は、市場における技術やシステムのコンバージェンス化を促進するために重要な役目を果たしています。STは、ニューヨーク証券取引所(NYSE:STM)、パリ証券取引所(Euronext Paris)とミラノ証券取引所に上場しています。2004年の売上は87.6億ドルで、純利益は6億100万ドルでした。さらに詳しい情報は、STのホームページをご覧ください。www.st-japan.co.jp