STマイクロエレクトロニクス、環境に優しい車載ソリューションの開発ラボを Hyundai Autron社と共に設立
共同開発を通じてハイブリッド車/電気自動車向けの半導体技術を進展させ 研究開発から生産への移行を促進 Geneva, Switzerland / 04 Feb 2019多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、Hyundai Autron社と協力し、ソウル(韓国)に共同開発ラボを開設しました。Autron-ST Development Lab(ASDL)は、パワートレイン・コントローラを中心に、環境に優しい自動車向けの先進的なソリューションを、両社の技術者が協力して開発するための環境を提供します。
STとHyundai Autron社の競争力を生かしたASDLは、5年以上にわたる両社の協力関係をベースに開設されました。車載機器メーカーの高い品質レベルと性能要求をサポートするため、次世代製品の開発効率を高め、開発スピードを加速させます。
STのアジア・パシフィック地区セールス&マーケティング担当 エグゼクティブ・バイスプレジデントであるJerome Rouxは、次のようにコメントしています。「Hyundai Autron社との共同開発ラボは、車載電子制御システムに関する両社の最初の協力プログラムにおける成功をベースにしており、スマート・ドライビングの実現という当社のビジョンを進展させます。STの幅広い半導体テクノロジーと車載アプリケーションに関する専門性の活用を通じて、Hyundai Autron社の目標達成をサポートし、これからもHyundai Autron社との緊密な協力関係を継続できることを楽しみにしています。」
現代自動車グループ傘下のHyundai Autron社は、コントローラ、ソフトウェアおよび半導体研究開発を担う企業として2012年に設立されました。これまでに開発されたパワートレイン・コントローラおよびバッテリ・マネージメント・コントローラ向けの半導体は、現代自動車のElantraなどの量産車に搭載されています。また、Hyundai Autron社とSTが共同開発したVCI(Valve Controlled Injection : 弁制御式燃料噴射装置)(1) 用半導体は、現代自動車のKonaに採用されています。Hyundai Autron社はさらに、環境に優しい自動車、自動運転車およびコネクティビティ技術に対する需要の増加に対応するため、研究開発の取り組みを拡充しています。
より安全で、より環境に優しく、より接続性の高い自動車の需要が増加しており、車載用半導体への要求も引き続き高まることが予想されています。また、自動車の電動化および運転支援機能の搭載が進んでいることや、長期的には自動運転技術が実現されることを背景に、1台の自動車に使用される半導体の数は大幅に増加することが予想されています。
(1)弁制御式燃料噴射装置 : 燃料多点噴射中に発生する不一致を補正して駆動性と燃料効率を最適化するために燃料噴射量と時間を制御する技術です。排出ガスと細塵の低減にも貢献します。