STマイクロエレクトロニクス、パソコンの利便性向上、省電力化、セキュリティ強化に貢献
- ユーザ検知機能が、離席時にパソコンを瞬時にロックし、低消費電力モードへ移行させることで、データ保護と省電力化に貢献
- ユーザ検知機能でパソコンのタッチレス起動とサインインを実現
- ToFセンサのデータとIntel® Context Sensingを組み合わせるSTの特許取得済みアルゴリズムが、CES2019でInnovation Awardを受賞 : 主要パソコン・メーカー各社が採用
多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、STのFlightSense™技術を採用した ToF(Time-of-Flight)測距センサの出力データを、Intel® Context Sensingで活用するユーザ検知機能向けソリューションを発表しました。このソリューションは、データ・セキュリティ対策の画期的なアプローチを実現すると共に、パソコンの消費電力を削減し、ユーザの利便性を向上させます。
STのToFセンサ(FlightSense)は、ノート・パソコンのベゼルにカバー・ガラスで覆われて内蔵され、パソコンの前にいるユーザを検知します。ユーザがパソコンから離れると、ToFセンサがユーザの不在を検知し、瞬時にシステムがロックされ、Windows®の「モダン・スタンバイ」による省電力状態に移行するため、セキュリティが向上すると共に、消費電力が低減されます。その後、ToFセンサは低消費電力の自律動作モードに入り、パソコンを省電力のスリープ状態に維持したまま、ユーザが戻るまでパソコンの前をスキャンし続けます。ユーザが戻ると、ToFセンサが存在を検知してパソコンが起動し、キー入力やマウス操作がなくても自動的に顔認証でログインできる状態になります。
このシステムで使用されているSTの特許取得済みのアルゴリズムは、パソコンの前に座って動かない人物と椅子などの物体を判別することが可能で、消費電力が大きくプライバシー侵害の可能性もあるウェブカメラを使用したビデオ解析が不要になります。
STのエグゼクティブ・バイスプレジデント 兼 イメージング事業部ジェネラル・マネージャであるEric Aussedatは、次のようにコメントしています。「STの業界をリードするFlightSense™ ToF測距技術を活用して開発されたユーザ存在検出機能は、バッテリの長寿命化とデータ保護の強化を可能にすると共に、使いやすさを向上させることで、パソコンのユーザ体験に貢献します。」
FlightSense ToFセンサについて
ToF法に基づくSTのFlightSense技術は、測距および接近検知を大きく変える技術であり、小型・低コストのセンサを使用して正確な測距を可能にするものです。このセンサは、センサから放射された光子が対象物で反射してセンサに戻ってくるまでの時間を測定することによって測距を行います。光子の「飛行時間」と光の速度を掛け合わせることで対象物までの正確な距離を算出することができます。
従来の赤外線(IR)測距センサは、反射した信号の強度に依っており、距離を直接測定することができません。ToFセンサと異なり、IRセンサの有効性と精度には、対象物の反射率が影響します。STのToFセンサは、正確な目標測距技術とクラス最高の小型化・低消費電力技術を兼ね備えています。