STは、FlightSense® ToF(Time-of-Flight)技術をベースとした高性能の次世代測距センサを発表しました。
信号強度のみを測定する単純なIR(赤外線)技術を用いた測距センサが対象物の反射率の影響を受けてしまうのに対し、FlightSense®センサは、放射された光子が反射するまでの時間に基づいて直接距離を測定するため、対象物の表面特性に影響されない正確な測距が可能です。
FlightSense®製品は、オールインワンの小型モジュールとしてパッケージングされており、レーザ・ドライバやエミッタに加え、STのセンサ製品に卓越した測距速度と高い信頼性を与えるSPAD(Single Photon Avalanche Diode)受光器が内蔵されています。
この先進的なToFソリューションは、ST独自のSPAD技術やイメージング・プロセス、また大量生産可能なパッケージング・ラインなどを組み合わせることで生まれました。本製品は、次のような要件が求められる幅広いアプリケーションに適しています。
- 正確で高速な距離測定
- 低消費電力
- システムのコスト競争力
- 集積化を容易にする柔軟な機械的設計への対応
FlightSenseTM技術と測距センサは、次のような数々のアプリケーション分野で使用できます。
- 近接検出
- カメラのオートフォーカスやビデオアシスト
- 掃除機、サービス・ロボット、玩具などの壁検出、段差検出、衝突回避機能
- ドローンのホバリング/着陸補助
- 家電製品: 周辺光検知、照明制御用ジェスチャ認識、自動ドア制御
- パワーセーブ機能用の特別なプレゼンス検出モードにより、PC、ノートパソコン、IoT機器の革新的なオートスリープ/ウェイクアップ方式への応用が可能です。
- その他のアプリケーションとして、トイレの洗浄オートメーション、蛇口や液体せっけん供給器、自動販売機やスマートシェルフ・システムの在庫管理を支援する商品計数機能などがあります。
FlightSense®測距センサには、詳細なドキュメントやサンプル・ソース・コード、さまざまなマイクロコントローラやプロセッサと互換性があるソフトウェアAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)が付属しています。また、X-NUCLEO拡張ボード、拡張子基板、関連する開発エコシステムにより、アプリケーション・ソフトウェアの開発や顧客機器への物理的統合も容易です。