30 Jan 2017 | Geneva

STマイクロエレクトロニクス、 機能統合・効率・柔軟性を向上させた最大出力100Wの次世代IPMを発表

Geneva / 30 Jan 2017

STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、モータ駆動用のインテリジェント・パワー・モジュール(IPM)であるSLLIMM nanoシリーズの新製品を発表しました。これらの新製品では、システムの小型化と簡略化に貢献するパッケージ・オプションや内蔵機能が追加されたほか、最新世代の500V耐圧パワーMOSFETを活用することにより、優れた効率を実現しています。

STマイクロエレクトロニクス、 機能統合・効率・柔軟性を向上させた最大出力100Wの次世代IPMを発表

定格電流が1Aもしくは2Aの新しいIPMは、最大出力100Wのアプリケーションを対象にしており、冷蔵庫のコンプレッサ、洗濯機や食洗器のモータ、排水や再循環用のポンプ、ファンのほか、ハードスイッチング回路において20kHz未満で動作するドライバなどに適しています。また最高動作温度が150°Cのため、過酷な環境下で使用するこができます。

これらのIPMは、三相パワーMOSFETブリッジとゲート・ドライバHVICに加え、過電流保護や電流検知などに使用できる予備のオペアンプおよびコンパレータといった付加価値の高い機能を内蔵しています。また、ブリッジ用パワーMOSFET破壊によるシュートスルー電流を防止するインターロッキング、障害検出出力、シャットダウン入力、およびスマート・シャットダウンといった安全機能を搭載しています。その他、オプションの内蔵サーミスタにより、過熱保護システムを簡略化することも可能です。

新しいIPMは、ジグザグ型のリードに加え、ライン型のリード・パッケージでも提供されます。そのため、設計の柔軟性が向上し、メカトロニック・システムなどの小型化が要求されるアプリケーションにおいて、基板レイアウトの簡略化とコントローラの小型化が可能になります。

パッケージの優れた温度性能と、最新の500V耐圧パワーMOSFETの優れた効率が、柔軟性の高い設計を可能にします。また、ヒートシンクを最小化するだけでなく、低消費電力システム向けではヒートシンクを除去することも可能です。さらに、パワーMOSFETのオン抵抗が低く(1Aの製品で3.6Ω、2Aの製品で1.7Ω)、スイッチング損失も抑えられているため、全体として電力効率が向上します。このパワーMOSFETは、モジュールのピンと個別オープン・エミッタ接続になっているため、磁界方向制御(FOC)向けの3シャント電流検知や台形波制御向けの1シャント検知を簡単に利用することができます。またハイサイドMOSFETゲートの制御に必要なブートストラップ・ダイオードも内蔵しており、外付け部品の削減が可能です。

STIPN1M50T-H、STIPN1M50-H、STIPN2M50T-H(L)、およびSTIPN2M50-Hは現在量産中で、デュアル・インライン・パッケージで提供されます。単価は、1000個購入時に約4.50ドルです。

詳細については、www.st.com/ipmをご覧ください。