STマイクロエレクトロニクス、 電源制御 / フェールセーフ機能を搭載した次世代の車載用ドア制御ICを発表
Geneva / 03 Apr 2017STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、最先端の車載用ドア制御ICファミリを発表しました。同製品は、これまで外付け部品を使用していた電源制御およびフェールセーフ機能が集積されているモノリシック・デバイスです。

フロント・ドア向けのL99DZ100G/GPと、リア・ドア向けのL99DZ120は、省スペース化を可能にすると共に、信頼性と電力効率を向上させます。また、ファミリ内でソフトウェア互換性があるため、設計が簡略化され、開発期間を短縮することができます。
ST独自の先進的な車載製品用プロセス技術であるBCD8Sを採用したこの1チップ・ソリューションは、最大7.5Aの定格電流で動作するハーフ・ブリッジおよびハイサイド・スイッチを内蔵しており、ドア・アプリケーションにおける電源制御とフェールセーフの要求をサポートします。また、High-Speed CAN(HS-CAN)およびLIN 2.2a(SAE J 2602)インタフェース、コントロール・ブロック、保護回路も備えています。さらに、L99DZ100GPは、ISO 11898-6 HS-CANに準拠した選択型ウェイクアップにも対応しており、CANバスと接続したままでも使用頻度の低い電子制御ユニット(ECU)の電源をオフにできるため、消費電力を最小化することができます。
フロント・ドア制御ICの両製品は、最大5個のDCモータを駆動可能なMOSFETハーフ・ブリッジを集積しているほか、外付けHブリッジを駆動することも可能です。また、LEDドライバ(8個)、バルブ用ドライバ(2個)、ミラー・ヒータ用ゲート・ドライバ、およびエレクトロクロミック・ガラス用制御モジュールが搭載されています。外付けデバイス(マイクロコントローラ、センサなど)用の電圧レギュレータ、タイマ、ウォッチドッグ、リセット・ジェネレータ、および保護回路も備えています。L99DZ120も同様の機能を搭載しており、パワー・ウィンドウ用モータ・ドライバなど、リア・ドア向けに最適化されています。
また、LEDのデューティ・サイクルを自動補正する付加価値の高い機能があり、自動車の電源電圧(VS)が変動している間も輝度を一定に保ちます。さらに、革新的なサーマル・クラスタにより、短絡が発生した場合などでも、出力を個々に停止させることが可能です。これにより、出力の変動なく正常な動作が続けられ、優れたユーザ体験を実現します。
L99DZ100G/GPおよびL99DZ120は現在量産中で、LQFP64パッケージで提供されます。価格および詳しい情報については、STのセールス・オフィスまでお問い合わせください。
詳細については、www.st.com/l99dz1-nsをご覧ください。