STマイクロエレクトロニクス、豊富な診断機能を搭載し、工場自動化などに最適なインテリジェント・パワー・スイッチを発表
Geneva / 23 May 2018STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、温度特性に優れた小型パッケージに、4個のパワースイッチ(260mΩTYP RDS(ON))と保護機能を集積した、4チャネル・ローサイド搭載インテリジェント・パワー・スイッチ IPS4260Lを発表しました。同製品は、工場自動化システムなどの高効率化と信頼性の向上に貢献します。また、最大2.4A(各チャネルで0.6A、または1つのチャネルで2.4A、周囲温度85°C時)の電流を出力でき、外部抵抗による電流制限の閾値設定に加えて、各チャネルを並列に使用することが可能です。
IPS4260Lは、非常に短い立ち上がり/立ち下がり時間(tr、tfともに1μs未満)による高速スイッチング周波数(最大250kHz)を特徴としており、サーボ・ドライバ、モータ制御、産業用PC周辺機器、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)のほか、正電源に接続された負荷のローサイド・スイッチング全般に最適です。また、同製品は、スマートな製造工程を実現するSmart Industry / Industry 4.0に適した豊富な診断機能を提供します。
診断機能には、出力オフの状態で動作するオープン・ロード検知が含まれており、断線などの故障による障害を防止します。さらに、損失ゼロで遮断する電流制限機能を備えており、過電流発生時に、任意の設定時間で出力段を遮断することができます。制限時間は外部抵抗で設定でき、再起動は自動的に試行されます。
また、この新しいインテリジェント・パワー・スイッチには、誘導性負荷(モータなど)で高速応答を実現するため、 外部の単一クランプ・ダイオードで4チャネルの高速減磁機能を持つスマート・アーキテクチャが採用されています。
そのほか、オープン・ロード検知および過負荷/サーマル・シャットダウン検知用の2つの共通オープンドレイン・ピンや、各チャネルでの過負荷/サーマル・シャットダウン検知用の4つの入力/出力オープンドレイン・ピンなどの診断機能も搭載しています。
STの幅広いインテリジェント・パワー・スイッチ・ファミリの製品であるIPS4260Lは、機器設定用の専用グラフィック・ユーザ・インタフェース(STSW-IFP029GUI)、詳細なユーザ・マニュアル(UM2297)、高性能の評価ボード(STEVAL-IFP029V1)などが含まれる広範な開発エコシステムでサポートされています。評価ボードは、産業機器向けの国際的な安全規格に適合しているとともに、ロジック回路とパワー段のガルバニック絶縁、および逆極性保護を備え、各種EMC規制およびIEC61000-4規格に準拠しています。
IPS4260L は現在量産中で、熱特性に優れた小型のHTSSOP20パッケージで提供されます。単価は、1000個購入時に約1.58ドルです。
詳細については、www.st.com/ipsをご覧ください。