STマイクロエレクトロニクス、5~30V電源の堅牢性、効率、柔軟性を向上させる高電圧コンバータを発表
Geneva / 18 Jun 2018STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、800Vのアバランシェ耐性を持つパワーMOSFETを内蔵した高電圧コンバータのVIPer11を発表しました。同製品は、耐久性に優れた補助電源や電源アダプタの設計に貢献します。26Vdcの動作開始ドレイン電圧が非常に広範なライン入力電圧範囲を可能にするため、数多くのコンスーマ機器および産業用機器の柔軟性を向上させます。
VIPer11は、ロジックレベルの一次側パワーMOSFETにより、広範な電源電圧範囲(4.5V~30V)で動作することができるため、高効率な5V出力スイッチング電源(SMPS)の設計も可能です。このメリットに加え、高耐圧起動回路、エラーアンプ、EMI低減用のジッタ付きオシレータなどの各種機能が、設計の簡略化、省スペース化、および部品コスト削減に貢献します。
高電圧コンバータであるVIPer11は、フライバック方式、ブースト方式、またはバック / ブースト方式の電源を、整流されたACラインまたはその他のDC電源から直接駆動できるため、シンプルな分圧回路で指定した出力電圧を生成できます。また、ロジックレベルのパワーMOSFETにより、5Vの出力電圧でも幅広い負荷範囲で高い効率を維持することができます。さらには、業界最先端の低消費電力(10mW)が、超低スタンバイ電力を可能にします。
VIPer11は、オープン・フレームのスイッチング電源で標準的な12W、または密閉型アダプタで標準的な10Wの最大定格に対応しており、生活家電とコンスーマ機器、ビル自動化システム、小型産業機器、照明、スマート・メータ、およびモーション制御システムなどの多様な製品に最適です。また、ユーザは、評価キット、アプリケーション・ノート、SPICEモデル、eDesignシミュレーション・ツールなどの開発ツールを活用することで、VIPer11の革新的な機能を評価することができます。
広範な電源制御機能の集積に加え、この高電圧コンバータには、自動リスタート機能付きの包括的な保護機能(過負荷 / 短絡保護(OLP)、ラインまたは出力過電圧保護(OVP)、最大デューティ・サイクル・カウンタ、VCCクランプ)が内蔵されています。さらに、サーマル・シャットダウン、ソフトスタート、パルス・スキップ保護といった機能が磁気飽和を防止するため、システムの信頼性が向上します。
VIPer11シリーズは、ドレイン電流制限(IDLIM)が480mAのVIPer114と590mAのVIPer115で構成され、30kHzと60kHzの動作周波数が選択できます。同製品は現在量産中で、SSOP10パッケージで提供されます。単価は、1000個購入時に約0.38ドルです。
詳細については、www.st.com/viperplusをご覧ください。