26 Jun 2018 | Geneva

STマイクロエレクトロニクス、超低スタンバイ電力を持つ電源の効率・経済性・安定性を向上させるオフラインPWMコントローラを発表

Geneva / 26 Jun 2018

STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、一次側レギュレータを使用して高精度な定電流出力を実現する高集積オフラインPWM(パルス幅変調)コントローラのSTCH03を発表しました。同製品により、低コストのモバイル充電器、電源アダプタ、または補助電源を、平均効率とスタンバイ電力が制限された厳格なエコ設計に適合させることが可能となります。

STマイクロエレクトロニクス、超低スタンバイ電力を持つ電源の効率・経済性・安定性を向上させるオフラインPWMコントローラを発表

STCH03は、重負荷時に疑似共振モードで動作し、トランスの減磁を検出してゼロ電圧スイッチング(ZVS)制御を行うことで、効率を最大化します。この検出回路により、ライン電圧のフィードフォワード制御も可能なため、高精度の定電流制御が実現できます。トランス電流が連続モード(CCM)と不連続モード(DCM)の境界にある状態で動作し続けることにより、STCH03はコンバータの最大動作周波数をラインと負荷の状況に応じて167kHzにまで制限するほか、負荷減少時にも最大効率を得るためのバレー・スキップ機能を搭載しています。

STCH03は、軽負荷もしくは無負荷時に、ゼロパワーの高耐圧起動回路、低静止電流およびバースト・モード・スイッチングなどの省電力機能が使用できます。これにより、スタンバイ電力を10mW未満に維持することができるため、充電器やアダプタを、電源効率に関する新しい規格であるCoC Tier 2などの、厳しい規制に準拠させることができます。また、低いピーク電流により軽負荷時や無負荷時の可聴音ノイズを除去するとともに、革新的な適応型の減電圧ロックアウト(UVLO)を備えているため、トランスの補助巻き線電圧が低い場合でも安定した動作を維持します。

高精度な一次側の定電流レギュレータを内蔵しているSTCH03は、出力電流検知用の部品が不要となり、充電器の部品数を削減できます。また、内蔵のスタートアップ回路は非動作時に電力を消費しないため、外付け部品も削減できます。

このほか、STCH03は、外付け部品数と部品コストの低減に役立つ多くの機能を内蔵しており、過熱保護(自動再復帰)および過電圧保護(自動再復帰またはラッチ停止)を備えています。ラッチ動作オプションはSTCH03Lに搭載されています。さらに、起動時に発生する高いピーク電流を防止するソフトスタート機能や、定電流制御下で出力短絡や出力電圧低下が発生した場合に機器を安全に動作させる出力の減電圧保護(UVP)機能も備えています。

STCH03は現在量産中で、SO-8パッケージで提供されています。単価は1000個購入時に約0.54ドルです。

詳細については、www.st.com/stch03をご覧ください。