STマイクロエレクトロニクス、SiC / Siパワー・トランジスタを制御および保護する多機能ガルバニック絶縁ゲート・ドライバを発表
アクティブ・ミラー・クランプ・オプションが高速動作時のイミュニティを向上 Geneva / 01 Aug 2018STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、最大26Vのゲート駆動用出力電圧と、個別のターンオン / ターンオフ出力端子または内蔵アクティブ・ミラー・クランプのオプションを備えたシングル・チャネルのガルバニック絶縁ゲート・ドライバ STGAP2Sを発表しました。同製品により、幅広いスイッチング・トポロジにおいてSiC(炭化ケイ素)またはSi(シリコン)のパワーMOSFETおよびIGBTを制御することができます。
STGAP2SCMは、専用のアクティブ・ミラー・クランプ・ピンを搭載しているため、ハーフ・ブリッジ構成の予期しないトランジスタのターンオンを防止する利便性の高いソリューションを実現します。パワーMOSFETのゲートをこの端子に接続することで、正規のターンオン信号が入力されるまで、絶縁グラウンドに電圧をクランプしてターンオフします。
一方、ターンオン出力とターンオフ出力が分離されているSTGAP2SMは、個別の外部ゲート抵抗を使用してパワー・トランジスタのスイッチング最適化に役立ちます。
STGAP2Sゲート・ドライバには4Aのレール・ツー・レール出力が搭載されており、高電力インバータにおいても高速かつ効率的なスイッチングが可能です。また、同製品は入出力間の伝搬遅延時間が80ns以下に抑えられているため、SiC製品に適した高いスイッチング周波数において、高精度なPWM制御が可能です。さらに、高いdV/dtのコモンモード過渡電圧耐性により、電力を消費するスプリアス・スイッチングを防止します。
また、1700V耐圧のガルバニック絶縁が内蔵されている同製品は、コンスーマ機器や産業機器用モータ・ドライバのほか、高電圧インバータ(600V / 1200V)、DC-DCコンバータ、バッテリ充電器、溶接機、IH調理器、無停電電源装置、力率改善(PFC)コントローラなどにおいて、部品点数の削減が可能です。
保護機能には、電源電圧が大幅に低下した場合でも電源スイッチを保護することができる減電圧ロックアウト(UVLO)が搭載されています。また、過熱保護機能のほか、ハードウェア・インターロックがハーフ・ブリッジ回路におけるハイサイド / ローサイドの貫通電流を防止します。さらには、スタンバイ・モードにより、低消費電力時でも出力を安全な状態に保ちます。
そのほか、設計者は、STGAP2SCMの評価ボード「EVALSTGAP2SCM」を使って迅速かつ簡単に設計を開始することができます。
STGAP2SCMは現在量産中です。一方、STGAP2SMは2018年第4四半期に提供が開始される予定です。両製品とも標準小型パワー・パッケージ(SO-8)で提供され、単価は1000個購入時に約1.49ドルです。
詳細については、www.st.com/stgapをご覧ください。
Yusuke UCHISHIBA
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