STマイクロエレクトロニクス、自己診断機能を搭載し、車両安全システムのサウンド機能に最適な車載用デジタル入力D級オーディオ・アンプを発表
Geneva / 30 Jul 2018STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、車載用デジタル入力D級オーディオ・アンプのFDA803DおよびFDA903Dを発表しました。テレマティクス、緊急通報システム(eCall)、ハイブリッド自動車・電気自動車の車両接近通報装置(Acoustic Vehicle Alerting Systems:AVAS)に適した両製品は、豊富な機能を搭載しており、統合の簡略化や信頼性を最大化するほか、ハイエンドのインフォテインメント・システムの性能を向上させます。
FDA803DおよびFDA903Dは、1x45Wの車載用デジタル入力D級オーディオ・アンプで、I2SおよびTDMデジタル・オーディオ信号入力と、低ノイズと優れた音質を実現するLC Filter後段からのフィードバックを備えているため、設計の簡略化および部品コストの削減が可能です。さらに、再生中の異常なDCオフセット検出やオープン検出など、I2Cによる車載対応の自己診断機能を搭載しており、コスト・パフォーマンスに優れたセーフティ・システムに不可欠な次世代のアンプを実現します。このような各種機能により、車載機器に要求されるISO 26262 ASIL(自動車安全性レベル)の認証取得に寄与します。
また、FDA903Dには、スピーカを継続的にモニタする負荷電流検知機能が追加されており、先進的な診断機能とスピーカの性能向上の実現が可能です。
両製品により、STの車載用デジタル入力D級オーディオ・アンプで構成されるFDAファミリが拡張されます。FDAファミリの製品は、信頼性の高い自己診断機能とSTの革新的なLC Filter後段からのフィードバックを共通の特徴としており、2チャネルおよび4チャネル製品(最大4 x 135W)が含まれています。
優れた音質に加え、低い全高調波歪率を実現しているFDA803DおよびFDA903Dは、車両安全システムへの搭載だけでなく、ハイエンドのインフォテインメント・システムへのオーディオ・チャネル増設に使用することもできます。両製品は、2Ω負荷までのスピーカを駆動できるとともに、出力パワーの制限機能を内蔵しているため、小型で低コストのスピーカを保護しつつ駆動させることが可能です。また、最大90%の効率(4Ω、1kHz、20W駆動時)と、PowerSSO36パッケージ(底面にヒート・スプレッダ搭載)の高い放熱性能がヒートシンクを不要にするため、車載用途においてもモジュールの小型化と車両への実装の簡略化が可能です。
幅広い電源電圧範囲(3.3V~18V)を持つFDA803DとFDA903Dは、車載用バッテリや、さまざまな電源で動作する幅広い機器に使用できます。また、両製品はCISPRクラスVに従って試験されているため、厳格な車載機器用EMC規格への準拠が容易になります。
両製品とも現在サンプル出荷中で、参考サンプル価格は、1000個購入時にFDA803Dが約2.60ドル、FDA903Dが約2.80ドルです。
詳細については、www.st.com/fdax03d-nbをご覧ください。