26 Sep 2018 | Geneva

STマイクロエレクトロニクス、モバイル機器の高速かつ安定したワイヤレス充電を可能にするQi®準拠15Wマルチコイル対応の送電側ワイヤレス充電ICを発表

Geneva / 26 Sep 2018

STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、複数のコイルを制御してワイヤレス充電を可能にする15W送電側ワイヤレス充電ICのSTWBC-MCを発表しました。同製品は、受電側デバイスを配置する位置の制約を緩和します。

STマイクロエレクトロニクス、モバイル機器の高速かつ安定したワイヤレス充電を可能にするQi<sup>®</sup>準拠15Wマルチコイル対応の送電側ワイヤレス充電ICを発表

最新のQi® 1.2.4規格に準拠するSTWBC-MCは、Qi MP-A15 EPP(Extended Power Profile)トポロジに特化して設計された最初のワイヤレス充電ICです。有効な受電側デバイスを検出し、最も効率的な給電コイルを選択できるほか、受電側デバイスとの双方向通信による異物検出機能(FOD)も備えています。また、同製品は主要スマートフォン・メーカーの高速ワイヤレス充電拡張機能にも対応しています。

STWBC-MCは、あらゆる機器において高速かつ安定したワイヤレス充電を実現するため、コイルの電流と電圧をモニタします。同製品は、デジタルDC-DCコントローラを内蔵し、必要な電力をコイルに固定周波数で供給できるため、スマートフォンやタブレット内部において、他のシステムとの干渉を最小限に抑えます。また、EUでは、無線機器指令(RED : Radio Equipment Directive)の対象を、ワイヤレス充電ICが含まれる範囲まで拡大し、145kHzを超える磁界エミッションを-5dBmに制限しようとしています。低EMI設計である同製品は、この方針に対しても簡単に準拠することができます。

STWBC-MCは、トランスミッタとレシーバ間の通信において、STの特許取得済み技術であるトリプル・パス変調を使用することで、ノイズ耐性を向上させます。また、待機時の消費電力が低いため、充電時以外は最小限の電力消費に抑えることができます。

そのほかまた、ユーザの開発期間を短縮するため、STWBC-MC用評価ボード「STEVAL-ISB047V1」およびワイヤレス充電ICであるSTWBC用GUI「STSW-STWBCGUI」が用意されています。このGUIは、STWBC-MC専用ファームウェア「STSW-ISB047FW」をダウンロードすることで、動作性能のモニタとパラメータの微調整が可能です。

STWBC-MCは現在量産中で、単価は1000個購入時に約3.375ドルです。STEVAL-ISB047V1は、STのウェブサイトまたは販売代理店から入手可能で、価格は約170ドルです。

詳細については、www.st.com/wbcをご覧ください。

注記

STWBC-MCには、受電側ワイヤレス充電ICであるSTWLC33との組み合わせが最適です。この受電側ワイヤレス充電ICは、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル機器、小型家電など、ワイヤレス充電に対応する機器へ迅速に搭載することができます。