STマイクロエレクトロニクス、STM32G4マイコンを使用したデジタル電源とモータ制御の開発を支援する新しい開発キットおよびファームウェアを発表
Geneva / 11 Sep 2019STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、STM32G4マイクロコントローラ(マイコン)のサポートを拡充し、デジタル電源およびモータ制御用の開発キットを提供するとともに、最新のSTM32CubeG4ソフトウェア・パッケージ(v 1.1.0)に新しいファームウェア・サンプルを追加することを発表しました。これらは、レース用ドローン、プロシューマ・ドローン、サーバなどに向けたデジタル電源およびモータ制御の開発に活用されます。
B-G474E-DPOW1 Discovery Kitは包括的なデジタル電源開発用プラットフォームで、STM32G474REマイコン、抵抗負荷を基板上に実装したバックブースト・コンバータ、照明電源用の高輝度RGB LEDコントローラ、操作用のLEDおよびボタン、柔軟性に優れた電源およびデータ通信用コネクタ、デバッガを搭載しています。ユーザはSTM32G474REのFilter-Math Accelerator(FMAC)を活用して、3極3ゼロ補償などの機能を処理し、全負荷範囲にわたって高い効率を確保できるとともに、デジタル・スロープ補償を活用することで、照明用途などの電流制御においてCPUの負担を軽減できます。また同キットは、STのパートナー企業であるBiricha Digital Power社が提供するような、デジタル電源に関するワークショップの効果を最大化するために活用することもできます。
B-G431B-ESC1 Discovery Kitは、最大40Aの3相ブラシレスBLDCおよびPMSMモータ向け電子速度制御(ESC)用の包括的なリファレンス設計です。STM32G431CBと、STripFET F7パワーMOSFETを内蔵した3相モータ・ドライバを搭載しており、センサレス・フィールド・オリエンテッド制御(FOC)と6ステップ整流のいずれも処理が可能です。電気的保護機能、過熱保護機能、ハイサイド・ドライバ / ローサイド・ドライバのインターロック機能なども備え、モータ・センサおよび3シャント電流検知に対応しています。また小型のため、このコントローラの回路図を参照して、直接アプリケーションに組み込んで使用することも可能です。この開発キットは、モータ制御用SDKのX-CUBE-MCSDK v5.4.1に対応しており、6S LiPoバッテリ・パック程度の電源供給によるドローン、ラジコン自動車などに応用することができます。
STM32G4シリーズは、新たにLQFP128パッケージ(14 x 14mm、128ピン)品をSTM32ファミリに追加します。LQFP128は、STM32G4シリーズ初の100ピンを超えるパッケージであり、現行のLQFP100パッケージと同じ基板面積でより多くのI/Oを処理することができるため、さらなる柔軟性を提供します。STM32G4は、豊富なアナログ機能に加え、高分解能タイマ、セキュアなファームウェア更新を可能にするデュアルバンクFlashメモリ、低消費電力の動作モード(160µA/MHz)、最大125°Cの周囲温度定格オプション品を備えており、民生機器分野および産業機器分野におけるモータ制御、デジタル電源、計測機器に最適です。この強力なマイコン・シリーズは、Arm® Cortex®-M4Fプロセッサ(最大動作周波数170MHz)にST独自の技術(アダプティブ・リアルタイム・アクセラレータ(ART Accelerator™)、CCM-SRAMルーチン・ブースタ、FMACおよび三角関数演算などのCORDICといった新しいハードウェア・アクセラレータなど)を組み合わせることで、効率的な消費電力でアプリケーション全体のリアルタイム性能を向上させます。
デジタル電源用開発キットのB-G474E-DPOW1(価格 : 約59.00ドル)とモータ向け電子速度制御用開発キットのB-G431B-ESC1(価格 : 約18.00ドル)は、STのウェブサイト(www.st.com)および販売代理店から入手可能です。
詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
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