09 Dec 2019 | Geneva

STマイクロエレクトロニクス、基板面積・部品コスト・消費電力を削減するパワー・マネージメントICを発表

STM32MP1マイクロプロセッサおよび汎用システムの パワー・マネージメント向けコンパニオン・チップ Geneva / 09 Dec 2019

STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、パワー・マネージメントICであるSTPMIC1を発表しました。4個のDC-DC降圧コンバータ、DC-DC昇圧コンバータ、および6個の低ドロップアウト・レギュレータ(LDO)を搭載し、高集積のアプリケーション・プロセッサを使用したシステムに要求される複雑な電源仕様に対応します。

STマイクロエレクトロニクス、基板面積・部品コスト・消費電力を削減するパワー・マネージメントICを発表

STPMIC1は、STのマルチコア搭載の汎用マイクロプロセッサであるSTM32MP1* のコンパニオン・チップとして最適化されています。STM32MP1はシングル・コアまたはデュアル・コアのArm® Cortex®-A7とCortex-M4、3Dグラフィックス処理ユニット(オプション)、および豊富なデジタル / アナログ・ペリフェラルを集積しており、幅広いアプリケーションを対象にしています。

STPMIC1は、ディスクリート品と比べて基板面積と部品コストを削減できるだけでなく、パワー・レールの監視 / 保護およびパワーアップ / パワーダウン・シーケンシング処理ができます。また、ST32MP1の精度およびセトリング時間の仕様に対応しています。

STの認定パートナー企業であるOctavo Systems社は、STM32MP1とSTPMIC1を活用し、マイクロプロセッサ・システム・イン・パッケージ(SiP)であるOSD32MP1xファミリを開発しました。ディスクリート品を採用した同様のシステムと比べ、基板面積を最大64%削減すると共に、電源シーケンシングなどの課題にも対応しています。

Octavo Systems社の戦略担当バイスプレジデントであるGreg Sheridan氏は、次のようにコメントしています。「STPMIC1は、SiPであるOSD32MP1xファミリに最適なパワー・マネージメント・ソリューションです。1つの電源入力と5V昇圧を含む14の出力レールを備え、STM32MP1に必要な電源をすべて供給するだけでなく、その他の部品に電源を供給する多数のオプションも有しています。これにより、小型パッケージ(18 x 18mm)に集積された当社のSiPは、幅広いアプリケーションに柔軟に対応することができます。」

STPMIC1は、マイクロプロセッサと外付けシステム部品のパワー・レールへの電源供給に加えて、DDRメモリの基準電圧、500mAのUSB On The Go(OTG)パワー・スイッチ、および汎用パワー・スイッチも提供します。また、I2Cインタフェースと追加のピンにより、マイクロプロセッサから制御できます。

STPMIC1に内蔵された4個の降圧コンバータは、高速過渡応答と高精度の出力電圧制御により、幅広い動作条件に対応可能です。低負荷時には、パルス周波数変調モードにより電力効率を向上させ、通常動作時には、パルス幅変調(PWM)同期により電磁干渉(EMI)を最小限に抑えます。昇圧コンバータは、バイパス・モードを備えており、バッテリ駆動時および低コストの5V AC-DCアダプタによる駆動時の双方で、最大2個のUSBポートへの給電とスムーズな制御が可能です。

6個搭載されたLDOチャネルの内、1個はDDR3の終端機能を備え、低消費電力のDDR用にバイパス・モードで動作させることができ、別の1個は自動ソース検出によりUSB PHYに給電できます。残りの4個は汎用の出力です。

STは、STPMIC1を使用した試作品の開発に貢献する評価ボードである、STEVAL-PMIC1K1も提供しています。同製品のトリガとなる押しボタンおよびデジタルI/Oと、レギュレータやスイッチに接続するためのヘッダ・コネクタが搭載された使いやすい評価ボードで、レジスタ設定用にUSBドングルも付属しています。

STPMIC1は現在量産中で、44リードWFQFNパッケージ(5 x 6 x 0.8mm)で提供されます。1000個購入時の参考価格は、約1.7ドルです。

詳細については、ウェブサイトをご覧ください。

* STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています。