20 Feb 2017 | Geneva
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STマイクロエレクトロニクス、 モバイル機器で複数の物体検出とマルチアレイ・スキャンを実現する 最新のToF測距センサを発表

  • オートフォーカスや人体検出などに幅広く使われている低消費電力のFlightSense™センサ
  • 最新のVL53L1が、ToF測距センサとして過去最高の性能を実現し、アプリケーションと操作性の新たな可能性を拡大
  • Mobile World Congress(2017年2月27日~3月2日、ブース : Hall 7A61)にデモを展示
Geneva / 20 Feb 2017

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、業界をリードするFlightSense™技術を採用した第3世代のToF(Time-of-Flight)測距センサを発表しました。VL53L1は、STが新たに特許を取得したシリコン・レベルおよびモジュール・レベルのアーキテクチャを採用すると共に、光学レンズを初めて搭載しています。これらの技術の組み合わせは、性能を向上させ、さまざまな新機能(マルチターゲット検出、長距離測定時のカバーガラスによるクロストーク耐性、設定可能なマルチゾーン・スキャンなど)を実現します。これらの先進性は、ロボット、人体検出システム、ドローン、IoT機器およびウェアラブル機器に、新たな付加価値となるセンシング性能を提供します。

STマイクロエレクトロニクス、 モバイル機器で複数の物体検出とマルチアレイ・スキャンを実現する 最新のToF測距センサを発表

4.9 x 2.5 x 1.56mmのセンサ・モジュールの中には、新しいレンズ・システム、940nm VCSEL(1) 不可視光光源、プロセッサ・コア、SPAD(2) 光子検出器が統合されています。光学レンズを追加することにより、光子検出率が増加し、モジュールの測距性能が向上します。また、内蔵マイクロコントローラが、測距機能を制御すると共に、革新的なデジタル・アルゴリズムを実行するため、ホスト処理によるオーバーヘッドとシステムの消費電力が最小化され、バッテリの長寿命化に貢献します。

STのイメージング事業部ジェネラル・マネージャであるEric Aussedatは、次のようにコメントしています。「STのToFセンサは既に数億個が出荷されており、70機種以上のスマートフォンや、その他の多くのコンスーマ機器に採用されています。FlightSense技術を採用したこの第3世代のセンサは、人体検出などの新しいアプリケーションに対応する最新機能を搭載する一方、既存用途に対する継続的なセンサ性能の向上も実現しています。」

新しいVL53L1は、わずか5ms(3) で距離を測定するため、高速動作するアプリケーションに適しています。スマートフォンのオートフォーカス機能に使用する場合、従来品の2倍の速度で物体を検知します。さらに、最大測定距離が4.5m以上に倍増しているため、幅広く利用されている21Mピクセルの光学カメラの過焦点距離に対応しています。

VL53L1は、革新的で高性能な設計アーキテクチャの採用により、シーン内にある複数のターゲットの検知が可能で、SPADセンサ・マトリクスを任意のゾーンに分割して使用することもできます。このように小さなゾーンに分割することで得られる空間的な測距情報は、システム側でデュアル・カメラによる3D画像処理や深度マップに活用することができます。

その他の測距センサに使用されている技術と異なり、STが新たに特許を取得したアルゴリズムとダイレクトToFアーキテクチャは、長距離測定におけるクロストークに影響されないため、これまで以上に幅広いカバーガラスの材質とデザインに対応します。

I2C に対応するVL53L1には、ソフトウェア・ドライバとドキュメントの完全なパッケージが付属しており、迅速かつ簡単な統合が可能です。

VL53L1は現在量産中です。STは、バルセロナで開催されるMobile World Congress(2017年2月27日~3月2日)のSTブース(H7A61)において、VL53L1のデモを実施します。

STマイクロエレクトロニクスについて
STは、私たちの暮らしに欠かすことのできないエレクトロニクス機器に、優れた性能と高い電力効率を特徴とした半導体を提供する世界的な総合半導体メーカーです。あらゆるシーンで活躍するSTの製品は、お客様が開発する次世代モバイルやIoT機器の他、よりスマートな自動車、工場、都市および住宅を可能にします。STは、生活をより豊かにする技術革新を通じ、「life.augmented」の実現に取り組んでいます。STは、10万社を超えるお客様に半導体を提供しており、2016年の売上は69.7億ドルでした。

さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(http://www.st.com)をご覧ください。

(1)  Vertical Cavity Surface-Emitting Laser:垂直共振器面発光レーザー
(2)  Single-Photon Avalanche Diode:単一光子アバランシェ・ダイオード
(3)  ミツバチの羽ばたき1回にかかる時間が5ms(出典: Wikipedia)