09 Nov 2017 | Geneva

STマイクロエレクトロニクス、スマートフォンやタブレットの高速充電を実現する先進的なワイヤレス充電ICを発表

  • 最新の業界標準(Qi Extended Power)に対応し、スマートフォンやタブレットを高速充電する新しい充電制御IC
  • 特許取得済みの検出・安全機能と、機器の操作性と効率を向上させるクラス最高レベルの低スタンバイ電力
Geneva / 09 Nov 2017

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、高速充電に対応した最新の業界標準に対応する世界初のICを発表しました。これにより、モバイル機器のワイヤレス充電性能が向上します。

STマイクロエレクトロニクス、スマートフォンやタブレットの高速充電を実現する先進的なワイヤレス充電ICを発表

スマートフォンやタブレットは今日、必要不可欠なツールであり、多くのユーザが1日に複数回の充電を必要としています。ワイヤレス充電であれば、充電器やモバイル・バッテリを持ち運ぶことなく、電源ケーブル使用時と同等の速度で、電子機器を充電することができます。主要なモバイル機器メーカーは、業界アライアンスに参加するとともに、互換性のある製品を開発し、ワイヤレス充電への取り組みを強化しています。

モバイル機器には、休憩や会議中などのわずかな時間に充電し、すぐに使用できる状態になっていることが求められています。こうした需要に対応するため、Qi規格を管理するWireless Power Consortium(WPC)は、幅広く採用されている業界標準に対して、高速充電向けのExtended Powerプロファイルを追加しました。これにより、最大充電電力が5Wから15Wに増強され、最大3倍速で機器を充電できます。

STWBC-EPは、業界で初めてQi Extended Powerに対応したワイヤレス充電制御ICの1つであり、スタンバイ時の消費電力をわずか16mWに抑えるクラス最高の電力効率を実現すると共に、ST独自の機能を採用して、機器の操作性を向上させています。例えば、自動検出機能を強化する特許取得済みのソリューションを用いることで、充電時に対応機器を近づける際、システムを迅速に起動させることができます。また、この特許技術は異物検出機能(FOD)の性能も強化しているため、金属を含む物体が充電器の近くに存在すると、充電を止めて過熱を防ぎます。また、電力制御と充電性能を強化する独自の革新技術によって、効率と利便性が大幅に向上しています。

STのインダストリアル & パワー・コンバージョン事業部ジェネラル・マネージャであるDomenico Arrigoは、次のようにコメントしています。「STの先進的なワイヤレス充電ICを使用することにより、機器メーカーは高機能かつ高効率で、高出力の新製品を開発できます。Qi Extended Powerにより、充電時間が劇的に短縮され、STの検出性能と安全性に関する特許取得済みの革新技術を通じて、安全性と使いやすさが大きく改善されます。」

 

STWBC-EPは、充電器の設計を簡略化できるほか、5VのUSB電源から12Vまでの電源電圧範囲で動作する柔軟性も兼ね備えています。 設計者が製品開発期間を短縮できるように、STは評価キット(15Wトランスミッタ・ボード、電源、ケーブルを同梱)と関連資料で構成される開発環境を用意しています。また、機器側で使用する高速充電用の15WレシーバIC(STWLC33)も用意しています。

STWBC-EPは現在入手可能で、32リードQFNパッケージ(5 x 5mm)で提供されます。単価は、1000個購入時に約2.50ドルです。