STマイクロエレクトロニクス、大容量データを保存可能な業界初の4Mbit EEPROMを発表
- 小型かつ低コストの8ピン・パッケージで提供される業界初の4Mbit EEPROM
- データ・ストレージの拡張により、スマート機器の機能と精度を向上
- 幅広いアプリケーションに採用されているSTのシリアルEEPROM
多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、業界初となるメモリ容量と、高い速度および信頼性を兼ね備えた次世代のEEPROMを発表しました。日常生活や業務で使用される機器の性能を向上させ、高い利便性や効率の実現に貢献します。
4Mbitの容量を持つ新しいEEPROMであるM95M04は、小型機器でもSPIを介して大量のデータを取得し保存することができます。スマート・メータなどの装置では高精度なデータ記録ができるため、より効果的なグリッド管理や、より簡略化された課金処理を実現します。また、携帯型医療機器では、患者のデータをより多く記録できるためケアの質が上がり、コンスーマ向けのスマート・ウェアラブル機器ではユーザ機能の拡充や精度の向上に貢献します。加えて、このようなアプリケーションでは、メモリの低消費電力を活かして、バッテリ駆動時間を延長することもできます。この他にも、産業機器制御やネットワーク・スイッチなどの通信インフラといったさまざまなアプリケーションで活用可能です。
STのメモリ事業部ジェネラル・マネージャであるBenoit Rodriguesは、次のようにコメントしています。「STは、シリアルEEPROMにおける世界的リーダーとして認知されており、今後も技術革新を推し進めていきます。当社のEEPROMは、コンスーマ機器、産業機器および車載機器など、幅広いアプリケーションに使用されています。今回発表した業界初の4Mbit EEPROMには、EEPROMの製造プロセスでは業界最先端となるST独自の110nm CMOSプロセス技術が採用されています。」
STのM95M04は、大容量データ・ストレージと優れた電力効率により、コスト重視のアプリケーションに適しています。10億回のフルメモリ読み書きサイクル限界試験に耐え、高い信頼性に定評のあるSTの幅広いポートフォリオを拡充します。512バイトの書き込みに要する時間はわずか5msで、低遅延の高速システムを可能にします。
M95M04は現在サンプル出荷中で、1000個購入時の参考価格は約2.50ドルです。
技術情報
M95M04は高密度の不揮発性ストレージで、アプリケーション・コード、キャリブレーション、ユーザ・パラメータといった記録保持データと、繰り返し上書きされるデータ記録に対応します。
大容量メモリを8ピンのSO8NパッケージおよびTSSOP8パッケージで実現しており、競合製品と比べてコスト・パフォーマンスに優れています。例えば、マイクロコントローラとFlashメモリを組み合わせたEEPROMエミュレーション・メモリや、強誘電体メモリ(FRAM)、磁気抵抗メモリ(MRAM)などの競合製品は、CMOS EEPROMと比べて消費電力が大きく、電源電圧範囲が狭くなります。
M95M04は、1.8V~5.5Vという幅広い電源電圧範囲と40年間のデータ保持期間を特徴とし、SO8Nパッケージ、TSSOP8パッケージ、または最先端のWLCSPチップ・スケール・パッケージ(8ボール)で提供されます。