STマイクロエレクトロニクス、ST基金の新会長を発表
ジュネーブ発 / 30 May 2011
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、同社が設立した慈善団体であるST基金の新会長にPietro Foxを任命したことを発表しました。2001年に設立されたST基金は、科学技術を振興し、人類の進歩と世界中の恵まれないコミュニティの持続可能な発展を推進するプロジェクトの育成・調整・資金援助を目的としています。
長年にわたりSTに勤めたPietro Foxは、2000年にヨーロッパ地域の上級副社長としてSTを引退した後、10年間にわたって慈善事業をサポートしてきました。そして、ST基金のビジョンを尊重し、ST基金の提唱者で今年1月に逝去した前会長Carlo Ottavianiの功績をさらに発展させる適任者として、STの経営陣より選任されました。
ST基金の2011年の重点分野は、「デジタル・ユニファイ」と呼ばれる最重要プログラムの効果ならびに効率を最大限高めることです。同プログラムは、最新のデジタル技術を利用できる人と利用できない人の格差を意味するデジタル・デバイドの解消に貢献することを目的としており、パソコンの使用方法やインターネットへのアクセス方法を知らない人々に対し、技術および基礎トレーニングを無償で行っています。
STの社長 兼 最高経営責任者(CEO)であるCarlo Bozottiは、次の様にコメントしています。「ST基金は、初代会長Carlo Ottavianiの指揮の下、企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)を果たすための重要な施策として、10年前に設立されました。STは、恵まれないコミュニティで人々の進歩を支援してきた元社員Pietro Foxを信頼しており、ST基金をさらなる高みに導くためのサポートを行っていきます。」
デジタル・ユニファイ・プログラムについて
デジタル・ユニファイ・プログラムでは、学校、非政府組織(NGO)および現地当局といった地域パートナーとの協力を通じ、基金によるコンピュータ・トレーニング・センターの設立や、ST社員が作成したコンピュータ・リテラシー・コースの普及促進が行われています。例えば、同プログラムの情報科学およびコンピュータ基礎(ICB)コースでは、ハードウェア、ソフトウェア、ファイル・システムおよびグラフィック・ユーザ・インタフェースの概念、個人の生産性を高めるツール、インターネット接続、品質・セキュリティに関する基礎知識、および関連する権利・義務を取り上げています。
同プログラムにおける重要な要素は「講師のトレーニング」であり、通常、ST基金とボランティアがパートナーの施設でトレーニング・セッションを開催します。これらのセッションでは、講師間でのトレーニング、知識共有および人脈構築の機会が提供されるため、講師はトレーニング・セッション受講後に自国で知識を広めることができます。デジタル・ユニファイ・プログラムは、2003年に開始して以来、11万人を超える受講者に無償のコンピュータ教育とコンピュータ・アクセスを提供してきました。
デジタル・ユニファイ・プログラムは、主に以下の国々で実施されています。
- アフリカ : ブルンジ、 コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、 エチオピア、モロッコ、ルワンダ、 セネガル、シエラレオネ、チュニジア 、 ウガンダ
- 南北アメリカ : ボリビア 、ドミニカ
- アジア : カンボジア、ネパール、 インド 、 タイ
- ヨーロッパ : フランス 、 イタリア
ST基金は、発展途上国・地域でデジタル・ユニファイ・プログラムを実施する他、複数の先進国でも、高齢者、失業者、移民および受刑者等、コンピュータやインターネットのノウハウを持たない団体を対象に活動しています。
ST基金の詳細については、 www.stfoundation.orgでご覧いただけます。
詳細情報のお問い合わせ先 : info@stfoundation.org
Pietro Foxについて
1938年、イタリアのビチェンツァ(Vicenza)生まれ。1958年、英国Standard Telephones & Cables社に半導体分野のアプリケーション・エンジニアとして入社しました。その後イタリアに戻り、1964年、SGS-FAIRCHILD社(STの前身)に入社し、製品マーケティング部門に配属されました。1976年、SGS-THOMSON Microelectronics(ドイツ)のジェネラル・マネージャ、1997年にヨーロッパの通信ビジネス・ユニットのバイス・プレジデントに就任しました。米国とヨーロッパで複数の製品マーケティングおよび上級マネージメント職を経験し、1998年、ヨーロッパ地域の上級副社長に就任しました。
STを退職後、2003年、WITAR Associationのエグゼクティブ・バイス・プレジデントに選任されました。WITAR Associationは、発展途上国における技術教育の推進・支援を通して社会と経済の発展を促すため、2002年に創立されたNGOです。同団体の最初のプロジェクトは、ブルンジ北部ヌゴジの工業高校で実施されました。Pietro Foxは、機器の使用方法を現地の教師にトレーニングした他、教室、実験室および作業場の建設や、機械、エレクトロニクスおよびコンピュータの専門教育のための機器の設置に関わる調整を行いました。2003年以降、実施中のアクティビティを監督するため13回ブルンジを訪問し、2009年12月に同団体の会長に就任しました。