STマイクロエレクトロニクス、 Wurth Elektronik社と協力し、電源システムのオンライン設計環境を拡充
- Wurth ElektronikのSmart Transformer Selector機能を追加したSTのeDesignSuiteが、ST製品を搭載するシステム設計を簡略化
- カスタム部品の発注、部材コストの低減、設計期間の短縮により共通の課題を解決
多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、同社のオンライン設計環境であるeDesignSuiteを、大手トランス(1) メーカーであるWurth Elektronik社のコンポーネントを追加し、拡充したことを発表しました。そのため、ユーザは、新製品をこれまで以上に迅速かつ低コストで開発することができます。
電子機器の設計では、メーカー各社が配布するツールを使用したオンライン設計がこれまで以上に普及してきました。これらのツールの多くは無償で使用でき、回路設計をすぐに始められるテンプレート、部品選定機能、性能評価に役立つシミュレーション機能が提供され、技術サポートの利用や部品購入も可能です。STのeDesignSuiteは、スイッチング電源、LED照明、フィルタ、モータ駆動など、多くの回路設計およびシステム設計の迅速化に貢献しています。
今回STは、eDesignSuiteを、Wurth Elektronik社が公開しているウェブベースのSmart Transformer Selectorと連携させました。これにより、電源設計において、eDesignSuite環境での作業と同時に、最適なトランスを自動で選択することができます。他のオンライン設計ツールでは、トランスの仕様は作成されますが、その仕様に沿った製品の入手は設計者自身が行う必要があります。複雑なトランスの仕様書をマニュアルで検索する代わりに、カスタム品を発注することが、コスト増と開発期間の長期化につながることがあります。
STのグループ・バイスプレジデント 兼 セントラル・ラボ ジェネラル・マネージャであるAlessandro Cremonesiは、次のようにコメントしています。「STは、顧客がシステム設計をより簡単かつ迅速に行えるよう、ツールの改良に絶えず取り組んでいます。当社とWurth Elektronikの取り組みは、電源設計の最終工程の問題を解決するもので、カスタムのトランスの納品まで数週間も待つ必要がなく、わずか数日で試作品を作り、動作させることができます。オンライン・ツールをリードするこの新しい機能がeDesignSuiteに導入されたことで、最終製品を構成する部品を低コストかつ効率的に設計することが可能になります。」
Wurth Elektronik社のプロダクト・マーケティング 兼 開発マネージャであるDean Huumala氏は、次のようにコメントしています。「Smart Transformer Selector(STS)により、設計者は、当社のポートフォリオから最適なトランスを素早く効率的に検出することができます。STSとSTのeDesignSuiteの融合により、両社の顧客は、当社と販売代理店が保有する設計・試験・製品化済みのトランスを今すぐ使用することができます。」
無償のeDesignSuiteは、www.st.com/eDesignSuiteにアクセス後、「Start Design」をクリックしてください。
STマイクロエレクトロニクスについて
STは、私たちの暮らしに欠かすことのできないエレクトロニクス機器に、優れた性能と高い電力効率を特徴とした半導体を提供する世界的な総合半導体メーカーです。あらゆるシーンで活躍するSTの製品は、お客様が開発する次世代モバイルやIoT機器の他、よりスマートな自動車、工場、都市および住宅を可能にします。STは、生活をより豊かにする技術革新を通じ、「life.augmented」の実現に取り組んでいます。STは、10万社を超えるお客様に半導体を提供しており、2016年の売上は69.7億ドルでした。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(http://www.st.com)をご覧ください。
(1)トランス(変圧器) : 電源とコンバータに使用される重要な部品で、AC電圧の変換や安全対策用の絶縁に不可欠です。