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使い捨てシステム

小包や手紙、段ボール箱、小荷物などのトラッキングには、低コストの使い捨てソリューションが最適です。

技術的な課題

技術的な課題

使い捨てのシステム・ソリューションは、きわめて低コストである必要があるため、バーコード・ラベルやNFC / RFIDタグが最適です。NFC / RFIDタグには、NFC / RFID技術に不可欠なEEPROMが搭載されているため、QRコードやバーコードと比べて大きなメリットがあります。EEPROMには、固有のIDだけでなく、64bitパスワードで保護された情報を保存することができるため、ユーザごとに異なるアクセスを保証することができます。

このように、NFC / RFIDタグはデータ保護機能やタンパ検出機能を備えているため、製品偽造に対する優れた対策を実現し、多くのブランド・メーカーにとって重要な課題であるグレー・マーケットの拡大を防ぐことができます。固有IDを持つNFC / RFIDタグを使用することで、サード・パーティの流通業者が正規の小売店や販売代理店にのみ在庫を供給できるようにすることが可能です。

また、NFC / RFIDタグを温度などの環境パラメータのモニタリングに使用することもできます。この場合、センサ・データのログを処理するために、低コストの専用マイクロコントローラをNFCダイナミック・タグICに接続します。

デジタル・ラベルは、QRコードやバーコードと比べ、データを直接格納したり、商品がサプライ・チェーン内を移動するのに合わせてセキュアにデータを更新することができるため、商品識別においてきわめて有用です。最大64Kbitの保護可能なメモリを内蔵しているため、従来のバーコードよりも多くのデータを保持することができます。また、NFC / RFIDタグは、メーカーによって事前にプログラミングされ、割り当てられた固有IDを保持することができます。このIDは、QRコードと比べてはるかに信頼性が高い方法で、任意の量のWebベースのサポート・データに対するポインタとして機能します。

NFCは、ブロックチェーン内でトラッキングされる、特定のオブジェクトのセキュアな取引台帳に対するエントリ・ポイントとなります。これにより、認証されたユーザが、あるオブジェクトが生産された時点から現状までの完全な履歴を見ることがきるようになります。ブロックチェーン内のNFCタグは、信頼性の高いエンド・ツー・エンドの可視化を実現するため、シンプルかつコスト効率の高い2者間取引のコンセプトを通じて、物理的なアセットの真正性と品質を検証します。

STのソリューション

STが提供するST25 NFC / RFIDタグICは、タグ機能に加えてエナジー・ハーベスティング・テクノロジーもサポートしています。そのため、バッテリ寿命の延長や、バッテリなしでの完全自律動作に貢献します。

ST25T製品ファミリには、13.56MHzで動作する幅広いNFC / RFIDタグが含まれています。512bit~64KbitのEEPROMを搭載し、エンド・ツー・エンドのサプライ・チェーンのあらゆるステージにおいて、電源投入時に製品情報やアイテム情報を取得・保存します。 

また、EWSステージで割り当てられた固有IDやTruST25デジタル署名に加え、カウンタ、データ保護およびタンパ検出機能を搭載し、製品偽造に対するマルチ・レイヤの保護を提供します。さまざまなアクセス資格情報を各種データに割り当てることができるため、インテリジェントなユーザ固有のデータ・アクセス・シナリオを製品寿命にわたり適用することができます。

ST25TV-eSEALは、すぐに使用できる使い捨てのトラッキング用評価ボードです。タンパ検出機能や独自のTruST25デジタル署名を備えたST25TVシリーズNFCタグIC(Type 5)の機能や性能を評価することができます。また、専用のSTアセット・トラッキング・アプリやWebベースのクラウド・ダッシュボード「DSH-ASSETRACKING」を利用して、マルチテクノロジー・ソリューションのモニタリングや管理の効率化を図ることができます。

また、環境センサおよびモーション・センサのモニタリング・データとあわせて活用することで、落下や急激な温湿度変化による損傷を検出することができます。さらに、大気圧センサとあわせて使用することで、飛行機の高度やトランジット、離着陸時の信号位相も検出可能です。

Webベースのクラウド・ダッシュボード「DSH-ASSETRACKING」では、エンド・ツー・エンド・アプリケーションの概念実証を行うことができます。また、STはAWS(Amazon Web Service)による無料のアセット・トラッキング・ダッシュボードも提供しています。STのセンサと組み合わせたアプリケーション開発を目的とする場合には、無償で提供されます。