家庭やオフィス、専用駐車場に設置されている電気自動車用充電ステーションの多くは、AC充電を利用しています。充電速度は、自動車用バッテリの容量、電力密度、および充電電力に加え、充電インフラストラクチャで利用可能な電力(通常は、最大22kWに制限)などの条件によって異なります。 一方、DC充電ステーションは、はるかに高い充電容量を供給可能です。DC充電ステーションは、高速道路や公共充電ステーションに導入されることが多く、自動車用バッテリを再充電する時間があまりない場合に理想的なソリューションです。 また、DC充電は、「ウォールボックス」とも呼ばれる最大40kWの充電容量を持つ家庭用充電ステーションにも導入が進んでいます。これにより、急速充電だけでなく、双方向充電にも対応できるため、ユーザに新たな可能性を提供します。双方向充電では、自動車用バッテリの残存エネルギーを再利用し、家庭用バッテリ蓄電システムに充填することも可能です。
主な課題
家庭やオフィスのDC充電ウォールボックスには、設置やメンテナンスの容易さに加え、以下の重要な機能が求められています。
- 小型で実用的な設計
- エネルギーの流れを最適化し、電気代を削減するよう設計されたスマートなウォールボックス・ソリューション
- 車両のバッテリに直接供給される電力の正確なセンシングおよび制御
- 幅広い出力電圧範囲(200V~1000V)をサポートする高電力密度ソリューションと柔軟性の高い充電電源(22kW~40kW)
- ビークル・ツー・グリッド(V2G)およびビークル・ツー・ホーム(V2H)アプリケーション用の双方向充電
製品 & ソリューション
幅広いACおよびDCウォールボックス充電器へのニーズに対応するため、STで、STM32マイクロコントローラをベースにした包括的なソリューションを、シリコンカーバイド(SiC) / シリコン・パワーMOSFET、SiC整流器、プロテクション・デバイス(TVS)、および絶縁型ゲート・ドライバをはじめとする高性能・高速スイッチングのパワー半導体とともに提供しています。
STは、高電力密度DCウォールボックス充電器に加え、SiCパワー・モジュール・ソリューションの開発に取り組んでいます。また、リアルタイムのエネルギー・モニタリング用のメータ・デバイス、グリッドへの電源接続、および電気自動車との接続用CANトランシーバや電力線トランシーバも提供しています。