状態モニタおよび予知保全システムは、直接またはゲートウェイを介してクラウドに接続された複数のスマート・センサ・ノードで構成されます。 このようなシステムでは、要求されるレイテンシや送信される生データと処理済みデータの量などに応じて、演算処理をスマート・センサやローカルのマイクロプロセッサ(MPU)、もしくはゲートウェイやクラウド上で行います。 エッジ・コンピューティングは、データの演算処理をスマート・センサ・ノード内もしくはゲートウェイにおいて行うことで、消費電力の削減やデータの機密保持を実現します。また、センサ・ノード・レベルで重要情報を分析することにより、異常検出時間を短縮することができます。 エッジ・コンピューティングとクラウド・コンピューティングを組み合わせることで、より効率的かつ効果的な予知保全システムの開発が実現します。 エッジ・コンピューティングでは、センサ・ノード・レベルで劣化を検出することができるため、迅速にメンテナンスを行いさらなる故障や損傷を防ぐことができます。一方クラウド・コンピューティングでは、複数のセンサ・ノードから送信される大量の処理済みデータをクラウド上で管理することでより複雑な分析が可能となるため、長期的な傾向の分析やローカル分析モデルの最適化を行うことができます。
エッジ・コンピューティングのメリット
- 機密性: データがクラウドに送信されず、センサまたは機械設備に保存されるため、高い機密性を実現
- コスト削減: 大量の時系列データのレイテンシおよびスループットを最適化。クラウドに送信 / 保存される不要な機械データの削減により、リアルタイム・アプリケーションにおける分散処理が実現し、複雑なシステムが不要。
- 低遅延: きわめて重要なアセットに対し、機器の修理の遅延を最小限に抑えることが可能
STM32マイクロコントローラ / マイクロプロセッサ向けAI開発エコシステム
STM32CubeMXソフトウェア・ツールの拡張機能であるSTM32Cube.AI では、学習済みニューラル・ネットワークを自動変換することでマイクロコントローラ(マイコン)やMPUに簡単に予知保全アルゴリズムを実装することができます。 STM32Cube. AIは、各種ディープ・ラーニング・フレームワークに対応し、組込みアプリケーションへのAIアルゴリズムの実装に使用できる最適化されたライブラリを搭載しています。
STはエッジ・コンピューティングの実現に重要となる産業用ゲートウェイ向けMPUや、最適化されたパワー・マネージメント・ソリューションを幅広く提供しています。また、エッジ / クラウドコンピューティング向けのソフトウェア開発キットやスタータ・キットのほか、STM32Cube.AI ソフトウェアをはじめとするAIスタジオ・ツールやサンプル・コードも提供しています。