VNF9Q20F

概要

VNF9Q20Fは、STのVIPowerテクノロジーを用いて製造されたデバイスです。グランドに直接接続された抵抗負荷または誘導負荷を駆動するためのものです。

本デバイスはVCCピンの過電圧から保護されています。プログラミング、制御、診断はSPIバスを介して実行されます。各チャネルのデジタル電流センス･フィードバックは、内蔵10bit A/Dコンバータを介して提供されます。専用のトリミング･ビットにより、A/Dコンバータ･リファレンス電流を調整できます。

本デバイスは、SPIまたは2-OTP割り当て可能な直接入力で制御できる出力を4つ備えています。SPIバスを通じてリアルタイム診断が可能です（オープン負荷、出力VCC短絡、過熱、通信エラー、電力制限、ラッチオフ）。本デバイスはオフ状態のオープン負荷を検出します。

VNF9Q20Fは、ST独自のI²t機能を搭載しており、突入電流や容量充電などの負荷過渡現象に影響を与えることなく、PCBトレース、コネクタ、ワイヤ･ハーネスを過熱から保護するインテリジェントな回路遮断を特徴としています。この機能は、INOMとtNOMと呼ばれる2つのパラメータによって設定されます。パラメータごとに、INOM（公称電流）とtNOM（公称タイミング）をそれぞれ設定するための専用ビットが3つあります。I²t曲線のパラメータは、チャネルごとに個別に設定できます。

VNF9Q20Fは、サーマル･シャットダウン介入まで、電力消費を安全なレベルに制限することができます。サーマル･シャットダウンは、ラッチオフまたはプログラム可能な時間制限付き自動再起動として設定できます。

出力電流制限により過負荷時にデバイスが保護されます。

マイコンとの通信が途絶えた場合、デジタル･メモリがリセットされた場合、またはウォッチドッグ･モニタがタイムアウトした場合、デバイスはフェイル･セーフ･モードに入ります。フェイル･セーフ･モードでは、割り当て可能な専用直接入力で4つの出力を直接制御できます。

また、専用のOTPビットにより、パラレル･モード（CH0 / CH1のみ）でVNF9Q20Fを設定することも可能です。

VNF9Q20Fは、容量性充電モード（CCM）と呼ばれる動作状態を特徴としており、フェイル･セーフとノーマル･デバイスの両方の状態、およびバルブ･モードに設定されたチャネルで利用可能です。