IPS8200HQ

概要

IPS8200HQおよびIPS8200HQ-1は、STMicroelectronics™ VIPower™テクノロジーを採用したモノリシック8チャネル･ドライバで、片側がアースに接続されているあらゆる種類の負荷を駆動できるように設計されています。どちらのICも10.5V～36Vで動作し、きわめて低い消費電流のほか、パラレルまたは4線のSPI制御インタフェース、4x2 LEDマトリックス、さらにピーク電流制御ループ･モードを搭載したマイクロパワー･ステップダウン･スイッチング･レギュレータを特徴としています。

このSPIインタフェース（SEL2ピン = Hで有効）は、8bit（SEL1 = L）または16bit（SEL1 = H）で最大5MHzまで動作し、パリティ･チェックおよび拡張診断（DC-DC動作、ケース過熱、SPI通信エラー、パワー･グッド）情報が含まれます。SPIモードでは、デイジー･チェーンが可能で、OUT_EN信号と、ウォッチドッグによるマイコン･フリーズ検出のどちらも利用できます。有効な場合（WD_EN電圧がVREG値の25%超）、内部ウォッチドッグ･タイマが切れると、ウォッチドッグ回路から内部リセットが生成されます。ウォッチドッグ･タイマは、WDピンに負のパルスを印加するとリセットできます。また、WD_ENピンの設定電圧を使用してプログラミングできます。

内部LEDマトリックス･ドライバ回路（4行、2列）は、8つの各出力のオン / オフ･ステータスを報告する8個のLEDを効率良く駆動できます。VREGピンは、論理出力バッファとLEDマトリックスの両方に電源を供給します。内蔵のステップダウン･コンバータの最大100mAの出力電流（過負荷および短絡状態からの保護が特徴）は、VREGピンとその他のアプリケーション･コンポーネント（デジタル･アイソレータやフォトカプラなど）の両方への電源供給に使用できます。

チャネルごとに独立したアクティブ･チャネル電流制限（IPS8200HQおよびIPS8200HQ-1でそれぞれ0.7Aと1.0A）とサーマル･シャットダウンにより、回路を過負荷や短絡から保護します。内蔵のサーマル･シャットダウンは、各チャネルを過熱と過負荷から保護します。接合部温度で保護しきい値（TTSD）がトリガされると、各過熱チャネルは自動的にオフになります。接合部温度が再起動するためのしきい値（TR）を下回ると、チャネルはオンに戻ります。追加のケース温度センサは、チップ全体を過熱から保護します。ケース温度のTCSDしきい値がトリガされると、過負荷状態のチャネルはオフになり、ケース温度がリセットしきい値（TCR）まで下がった場合にのみ再起動します。過負荷状態にないチャネルは通常通り動作し続けます。

GND断線保護機能は、アースが断線した場合に出力を自動的にオフにします。

専用の診断ピンは、VCCレール（PGピン）の電圧範囲無効、ケース過熱（TWARNピン）、SPI故障、または接合部過熱（FAULTピン）の検出を報告します。