ソリューション概要
車両の安全性向上を重視する今日の傾向に伴って登場した新たなテクノロジーにより、運転者や同乗者の保護が容易になりつつあります。この高度運転支援システム(ADAS)は、車両の動きや道路状況を検出し、悪路や車両のスキッドおよびスリップを運転者に警告するソリューションとなっています。
このシステムは、4MBのFlashメモリを搭載したSPC58EC汎用車載マイクロコントローラで構成されており、超低消費電力3軸モーション・センサAIS2DW12を使用して各種車両の動きや現在の路面状態の情報を取得します。取得したデータは、マイクロコントローラ上で動作するLSTM(長・短期記憶)回帰型ニューラル・ネットワークに渡されます。このネットワークでは、走行状態を分類し、車両状態の正確な予測モデルを生成し、これをLCDタッチスクリーンに表示します。
開発を始めるために、まずAutoDevKitをダウンロードします。そして、学習済みのニューラル・ネットワークを実現するために、開発者は外部IDE(Google Colab)とともに数多くの利用可能なフレームワーク(Tensorflow、Lasagneなど)のいずれかを使用します。これにより、LSTM回帰型ニューラル・ネットワークを作成し、学習させ、(真理値表を使用して)評価を行うことができます。LSTM RNNを作成したら、H5ファイル形式にエクスポートし、SPC5 Studio開発環境(SPC5-STUDIO)上で動作する人工知能(AI)プラグイン(SPC5-STUDIO-AI)によりCコードに変換し、SPC58マイコンにロードして実行可能な状態にすることができます。
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搭載製品の特徴
SPC58EC80E5:車載アプリケーション向けの32bitマイクロコントローラ
-4MBのFlashメモリ
-ISO 26262に準拠したASIL Bの安全性水準に対応
-豊富な通信インタフェース
-専用のFlashメモリを搭載したハードウェア・セキュリティ・モジュール(HSM)を内蔵
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All Features
- 車両の動きを6秒間にわたって分析
- 専用の長・短期記憶(LSTM)回帰型ニューラル・ネットワークによる時系列分析を実現
- AEC-Q100準拠のIC
メリット
- 車載アプリケーション用のエッジAI
- 「単純な」マイコン上での学習済みニューラル・ネットワークの実行
- センサで検出された加速度のリアルタイム分析
- 専用の長・短期記憶(LSTM)回帰型ニューラル・ネットワークによる時系列分析の実現
- 以下の4つの車両状態を認識:
- 駐車または停車中の車両
- 通常状態の路面を走行中の車両
- 悪路走行中の車両
- スリップまたは蛇行している車両