ソリューション概要
バッテリ・マネージメント・システム(BMS)は、電気自動車の蓄電システムのライフサイクル、健全性、安全性を向上させます。
個々のバッテリ・セルの電流、電圧、温度を測定し、その情報をマイクロコントローラに送信して処理します。マイコンに搭載されたソフトウェアは、このデータに基づき、各バッテリ・セルの充電状態(SOC)と健全性(SOH)を判断し、高効率のセル・バランシングを確保し、バッテリの持続時間を延ばすことで、最高のパフォーマンスを実現します。
BMSソリューションの主なコンポーネント
このカスタマイズ可能なソリューションは、従来の低電圧のバッテリから400V、800V、1200Vまでのバッテリに対応できる、非常にスケーラブルなバッテリ・マネージメント・システムです。
L9963Eリチウムイオン・バッテリのモニタリングおよびバランシング・チップは、非同期遅延なしで、直列接続された4個~14個のセルを測定できる独自のアーキテクチャを採用しています。
汎用SPI / 絶縁型SPIトランシーバのL9963Tは、異なる電圧ドメインにあるデバイス間の通信を実現します。このデバイスは、8bit~64bit長のSPIフレームで構成される任意のプロトコルをサポートするように設計されており、非常に高い柔軟性を備えています。従来の4線SPIインタフェースから受信した通信データを2線の絶縁インタフェースに送信できます(逆も可能)。すべての機能は、デュアルコアSPC58EC80E5車載用マイコンによって管理されます。
2つの実現可能なBMS設定
「集中アクセス」バージョンと「デュアル・アクセス・リング」バージョンの2種類の設定に対応できます。
集中化接続化されたデイジー・チェーンでは、SPC58EC80E5マイコンは、SPIを介してL9963T(低電圧ドメイン)に接続されます。このトランシーバはマイコンをBMSチェーン(高電圧ドメイン、すなわち絶縁型SPI通信を必要とする過酷な車載環境)に接続します。
双方向通信用にもう1台トランシーバを追加すれば、デュアル・アクセス・リング設定も可能です。2次リングは、1次リングが故障した場合の予備として使用されます。
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搭載製品の特徴
SPC58EC80E5:車載用マイクロコントローラ
SPC58EC80E5マイコンは、SPC58シリーズの製品であり、包括的かつ利便性に優れたSPC5開発エコシステムを利用できます。
L9963E:バッテリ・モニタ
L9963Eは、信頼性の高い車載アプリケーションや蓄電システム向けに、リチウムイオン・バッテリのモニタリングおよびバランシング機能を備えています。単体で最大14のバッテリ・セルをモニタリング可能で、48V以上の高電圧システムの要件を満たします。
L9963T:絶縁型SPIトランシーバ
L9963Tは、異なる電圧ドメインにあるデバイス間の通信を実現する汎用SPI / 絶縁型SPIトランシーバです。
従来の4線SPIインタフェースから受信した通信データを2線の絶縁インタフェースに送信できます(逆も可能)。
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All Features
- 先進的な機能
- 安全機能(温度制御)
- SOCおよびSOH
- 高精度測定
- 優れた性能
- 高い信頼性
- 走行距離の延長
- バッテリ寿命の延長
- 先進的な機能