ソリューション概要
予知保全のフレームワークでは、スマート・ファクトリ / Industry 4.0戦略の実行に向けて状態モニタリングが重要な役割を担い、振動 / 超音波 / 環境データがスマート・センサ・ノードで収集され、Wi-Fi / セルラー網通信によってクラウド・サービスで解析用に共有されます。
重要な振動データは、6kHzの広い帯域幅を持つ振動センサ「IIS3DWB」によって収集された3軸加速度データ、およびアナログMEMSマイクロフォン「IMP23ABS1」によって収集された最高80kHzの超音波データを組み合わせて、高性能で超低消費電力のSTM32L4+マイクロコントローラ(マイコン)上でローカルに処理されます。これにより、高速フーリエ変換(FFT)、二乗平均平方根(RMS)、およびピーク加速度などの周波数および時間領域解析が可能になります。また、大気圧センサ「LPS22HB」および温湿度センサ「HTS221」も搭載されているため、大気圧 / 温湿度といった環境データも収集されます。
マイコンとセンサの消費電力がきわめて低いため、バッテリ・チャージャ「STBC02」で充電できる小型かつバッテリ駆動のIoT機器開発に貢献します。
STM32L4+マイコンは、Inventek ISM43362.M3G-L44といった追加のWi-Fiモジュール、またはQuectel BG96(プラスチック製マイクロSIM / 3FF SIMとのLTE Cat M1およびNB-IoT接続対応)などのセルラー・モデムを介したワイヤレス・データ伝送に対応しています。
エッジ・コンピューティングおよびイベントの視覚化用にST独自の状態モニタリング・アルゴリズムを開発
STは、センサのプロビジョニングや、データのプロット、およびエンドツーエンドのソリューションにおけるトリガ設定向けに、状態モニタリング・データのロギング、視覚化、解析に対応したきわめて機能的で直観的なクラウド・プラットフォーム(DSH-PREDMNT)を提供しています。ダッシュボードを使用し、リアルタイム / 過去データをグラフにして、動作温度など重要な動作条件を監視できます。また、主要なパラメータが許容範囲を超えたときの自動警告用にしきい値を設定できます。データを収集し、ダウンロードしたら、エッジ・コンピューティングおよびイベントの視覚化用に独自のアルゴリズムを開発できます。
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搭載製品の特徴
STM32L4R9ZI: 超低消費電力マイコンと高速EEPROM
Arm Cortex-M4をベースにしたSTM32L4R9ZIは、単精度浮動小数点ユニット(FPU)、デジタル信号処理(DSP)、およびメモリ保護ユニット(MPU)を備えた超低消費電力マイコンです。最大ODRでの高速センサ・データ・ストリーミングが可能で、2MBの内蔵Flashメモリにより、あらゆる異常検出に対応した機械学習アルゴリズムのホストが可能です。
IIS3DWB: 超広帯域3軸デジタル振動センサ
IIS3DWBは、超広帯域(最高6kHz)および低ノイズの3軸デジタル振動センサです。性能とコストの双方において、最高6kHzまでの振動分析アプリケーションに最適な製品です。
LPS22HB / HTS221: 高精度環境センサ
LPS22HBデジタル大気圧センサおよびHTS221デジタル温湿度センサは、包括的な状態モニタリングの実現に必要なデータ収集を行います。
IMP23ABSU: 広帯域アナログMEMSマイクロフォン
IMP23ABSUは、最高80kHzの広帯域アナログMEMSマイクロフォンです。超音波周波数範囲に対応する振動データの収集および解析を可能にします。
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All Features
- 高性能で超低消費電力のSTM32L4+マイコンにより処理される振動速度(RMS)/ 加速度ピーク / FFT形式の状態モニタリング・データ
- デジタル出力による産業用3軸MEMS振動センサ(IIS3DWB)を使用した振動検出とMEMS小型アナログ・オーディオ・センサ(IMP23ABS1)による超音波周波数解析
- 超小型温湿度センサ(HTS221)とMEMS大気圧センサ(LPS22HB)を使用した精密な環境データ測定
- SL-PREDMNT-S2C: 状態モニタリング・プラットフォームを提供するエンドツーエンド通信フレームワークによる予知保全ソリューション
- DSH-PREDMNT: 状態モニタリング・データのロギング、可視化、解析が可能なクラウドベースのウェブ・アプリケーション