ソリューション概要
ハイブリッド車や電気自動車は、低速走行時に歩行者が接近音を知覚しづらい
2021年7月以降登録されるすべての電気自動車およびハイブリッド車には、車両から警告音を発して歩行者に接近を知らせる車両接近通報装置(AVAS)を設置し、20km/h(12mph)以下で走行する場合には56dBA(2メートル以内)、それ以上の速度の場合には最大75dBAのノイズを継続的に発生させることが義務付けられます。
このソリューションは、2つのSPC58車載用マイクロコントローラを中心に構築されています。1つ目のマイクロコントローラはドメイン・コントローラとして機能する一方、2つ目は録音済みWAVファイルを保存すると同時に、必要なAVAS音の生成に使用されるAEC-Q100準拠FDA903D D級パワー・アンプを監視・制御します。
コスト効率に優れたSTのステレオAVASソリューションのメリット
STのAVASソリューションは、WAVオーディオ・ファイルを使用してエンジン音のシミュレーションができる柔軟な接近音発生ソリューションです。自動車メーカーおよびOEM各社による接近音のカスタマイズ開発に役立ちます。車体のサイズを問わず、自動車全体で警告音が確実に聞こえるようにするため、2つのオーディオ・アンプをステレオ構成し、両方のスピーカから同じモノラル音声または2種類の異なる(ステレオ)音声を再生できます。これにより、歩行者は車両との距離や位置を正確に把握できるようになるため、車両の接近に気付きやすくなります。
STでは、SPC58EC80E5車載用マイクロコントローラをドメイン・コントローラとして使用することを提案しています。このデュアルコア32bit Power Architectureマイクロコントローラは、再生する録音済みWAVファイルを含んだシングルコアSPC582B60E1車載用マイクロコントローラで構成されるオーディオ・ゾーンを管理し、オーディオ出力をスピーカに送る2つのシングルブリッジFDA903Dパワー・アンプを駆動します。
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搭載製品の特徴
FDA903D - シングルブリッジD級オーディオ・パワー・アンプ
高性能DAコンバータと強力なパワーMOSFET出力を統合したFDA903Dは、きわめてコンパクトかつ強力なパワー・アンプであり、優れた効率と性能を発揮します(90%)。また、動作温度・電源電圧範囲が非常に広く、特に車載用に設計された完全な自己診断機能を搭載しています。
SPC582B60E1 - シングルコアでAEC-Q100準拠の車載用マイクロコントローラ
この汎用SPC58 2Bライン・マイクロコントローラは、包括的なSPC5開発エコシステムを利用できます。ISO 26262規格準拠のSPC58 2Bマイコンは、ASIL-B機能安全規格に適合した製品です。また、多数のISO CAN-FDチャネルを有し、消費電力や処理能力などが強化されています。
SPC58EC80E5 - デュアルコアでAEC-Q100準拠の車載用マイクロコントローラ
この汎用SPC58 Cライン・マイクロコントローラは、包括的なSPC5開発エコシステムを利用できます。ISO 26262規格準拠のこれらのマイコンは、ASIL B機能安全規格に適合した製品です。また、多数のISO CAN-FDチャネルとEthernetコントローラ(10 / 100 Mbps)を有し、消費電力や処理能力などが強化されています。
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All Features
- 先進的な機能
- マイクロコントローラがスピーカの接続を検証
- ステレオ音が車両の距離と位置に関する歩行者の知覚を向上
- 優れた性能
- 高い信頼性
- 先進的な機能