エネルギー管理
電力網のデジタル化は、配電と電力消費の最適化の重要な手段として浮上すると同時に、クリーン・エネルギーへの移行を加速する上でも重要な役割を果たしています。数百万の新たな再生可能エネルギー機器の管理、数十億の家庭や建物のエネルギー管理の改善、ユーザの使用状況に対する可視性の向上は、現代社会が直面する重要な課題です。電力網が百年前に構築されたものであることを考えると、目の前の課題は決して簡単ではありません。
電力網のスマート・システムへの移行が順調に進む中、Gridspertise社のテクノロジーを搭載したスマート・メータは全世界で1億台以上出荷されています。この成功は、STとの長年にわたる協力関係がベースとなっています。STは、Gridspertise社の旧親会社であるEnel社を通じて2000年代初頭に始まったこのパートナーシップで、スマート・グリッドを実現するための数百万個の戦略的ハードウェア・コンポーネントを供給してきました。これには、最も好評なソリューションとして、ヨーロッパやその他の地域への展開が予定されている、Gridspertise社の第2世代スマート・メータ「Globy」向けの半導体ソリューションも含まれています。
“
STは、電力網のスマート・グリッド化に向けたソリューション開発において、確かなパートナーであることが証明されています。
”
Gianni Ceneri氏, Gridspertise社 最高技術責任者(CTO)
Gridspertise社は、第2世代スマート・メータ「Globy」の設計に当たり、STとの協力を通じて、そのハイブリッド電力線通信(PLC)モデムをはじめとする最新イノベーションを活用した通信モジュールの開発を行いました。従来の電力メータはPLCまたは無線通信を利用していましたが、STのハイブリッド型モジュールは2022年の発売時点で両機能を搭載した世界初の製品でした。このモジュールはさまざまな面で画期的で、多様な国際規格に対応しながら、電力線と無線メディアの両方を介してシームレスなコネクティビティを実現します。Globyメータは、同じハードウェアを活用し、さまざまな電力網市場のニーズに対応することで、世界中の独自フレームワークやベンダ固有の開発エコシステムの制限を効果的に克服することができます。
“
STのイノベーションにより、製造プロセスを簡略化し、Globyメータをより迅速にお客様にお届けすることができました。
”
Stefano Vilardi氏, Gridspertise社 製造責任者
代替通信オプションを現場にあるメータに搭載することは、最近まで簡単なことではありませんでした。電力網には信頼性の高いデータが求められるため、そこには大きな課題がありました。しかし、STの通信モジュールはそうした状況を変え、電波の弱い遠隔農村地域を含め、あらゆる場所でのコネクティビティを実現しました。問題解決アプローチを提案できる、経験豊富で信頼できるパートナーがいることは、このイノベーションに不可欠でした。
“
STは、Gridspertise社にとって理想的なパートナーであり、その信頼性と問題解決アプローチにより、イノベーションと一貫した製品の品質を実現する力になっています。
”
Sara Bucciarelli氏, Gridspertise社 最高購買責任者(CPO)
Gridspertise社はサステナビリティに取り組んでおり、ESG(環境、社会、ガバナンス)手法のほか、「サステナブル・バイ・デザイン」戦略も取り入れています。最新世代のスマート・メータに、従来モデルから回収した再生プラスチックを採用したことは大きな成果です。エネルギー効率に優れたソリューションの開発に関するSTの専門性は、Gridspertise社が製品の性能と持続可能性をさらに強化する上で常に役立っています。また、STもサステナビリティに長年取り組んでおり、2027年までのカーボン・ニュートラル達成と再生可能エネルギー使用率100%を目指しています。
“
サステナビリティは、エネルギー業界にとっても、Gridspertise社にとっても、ますます重要な要素になっています。STは当社の持続可能性基準を満たしてきた実績があり、この分野において信頼できるパートナーです。
”
Sara Bucciarelli氏, Gridspertise社 最高購買責任者(CPO)