Smart Things
私たちの暮らしは、公私において、さまざまなスマート・ロックにより守られています。ISEO社は、混雑するロンドン地下鉄エリザベス線から、象徴的なミラノ中央駅、さらには中国の広大な集合住宅まで、スマートな入退室管理システムの大手企業です。ISEO社は、半世紀以上前に設立されたイタリアのスマート・ロック・メーカーで、高度なセキュリティを備えたロック・システムにおいて台頭し、世界的に市場をけん引しています。5年ほど前からは、顧客のセキュリティ・ニーズの変化に的確に対応するために、STのテクノロジーを統合することで戦略的転換を図ってきました。
2014年、ISEO社はドア・セキュリティを再定義する取り組みを始めました。そのビジョンは明確かつ魅力的で、スマートフォン1台で簡単に操作できる高度にセキュアなスマート・ハンドルを開発するというものでした。ドアのIoT化によるISEO社の狙いは、利便性の向上ではなく、強力なセキュリティ構造を入退室管理システムの中核に組み込むことでした。
しかし、これは大きなチャレンジで、万一セキュリティに不備があれば、企業や家庭に大きな脅威をもたらす恐れがありました。また、機械的なセキュリティ脅威に加えて、ハッカーから物理的なドアを守るという重大な課題にも直面していました。そうしたハッカーは、保存されたデータを抽出したり、リーダなどのデバイスをエミュレートしたりすることで、現場のハードウェアを操作しようとする可能性があります。この課題こそがISEO社とSTを結び付けました。
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新しい製品のアイデアを生み出すと、新たな課題に頻繁に直面します。
STの迅速なサポートは、こうした状況に劇的な変化をもたらしました。”
Marco Temporiti氏, ISEO社 R&Dソフトウェア・マネージャ
セキュリティ市場において30年以上の経験を持つSTは、STM32マイコンおよびマイクロプロセッサ製品へのマルチレベル・セキュリティ機能の統合を着実に進めてきました。こうした経験により、ISEO社はSTに対して高い信頼を寄せ、同社事業へのST製品の統合が進みました。ISEO社は現在、当初のスマート・ハンドルにとどまらず、ほぼすべてのセキュリティやクラウド・コネクティビティ・ニーズにSTM32ポートフォリオを採用しています。また、STがLinux開発環境に対応した強力なソリューションを提供していることも採用理由の1つです。
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当社は、毎年STから新製品を調達しており、その数は増え続けています。
STのセキュリティ・リソースは、当社の選択の決め手になっています。”
Marco Temporiti氏, ISEO社 R&Dソフトウェア・マネージャ
ISEO社が直面した主な課題は、進化するさまざまなセキュリティ脅威に耐えられるように、次世代のスマート・ロックを実現することでした。最近ではSTM32マイコンだけでなく、STM32マイクロプロセッサもこの目標達成に貢献しており、その代表例がSTMP32MP2マイクロプロセッサです。同製品は、サイバー保護規制の進化や厳格化に対応し、前方互換性のあるレジリエントなスマート・ロックの実現に最適です。
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セキュリティは複雑になることがあります。STは、認証プロセスを簡略化し、予想される規制要件にも対応する幅広いマイコンやマイクロプロセッサを提供しています。
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Marco Temporiti氏, ISEO社 R&Dソフトウェア・マネージャ
創業以来、ISEO社は企業として驚異的な成長を遂げ、現在では世界各地に1,200人を超える従業員を擁しています。それでもなお、STの経験豊富なハードウェア開発者チームの独自性や耳を傾ける姿勢を高く評価しています。ST製品の開発者と直接かかわることができるだけでなく、このような卓越した人間関係とサポートによって、ISEO社はSTと強力なパートナーシップを構築し、維持していくことを決めました。