Arm® Cortex®-M33の概要

Arm® Cortex®-M33コア・プロセッサは、十分なセキュリティまたはデジタル信号制御が必要なIoTおよび組込みアプリケーション向けに設計されています。デジタル信号処理(DSP)拡張、ハードウェア・アイソレーション用のTrustZone®セキュリティメモリ保護ユニット(MPU)および浮動小数点ユニット(FPU)を含むさまざまなオプション機能を備えています。

Cortex-M33は、1.5 DMIPS/MHzおよび4.02 CoreMark/MHzを達成し、Arm Cortex-M4に比べて約20%高い性能を備えています。

また、リアルタイム性、エネルギー効率、ソフトウェア生産性およびシステム・セキュリティの最適なバランスを実現します。そのため、幅広い分野におけるさまざまなアプリケーションに最適です。

Arm® Cortex®-M33コアの主な特徴

  • Armv8-Mアーキテクチャ
  • AHB-liteバス・インタフェース、ハーバード・バス・アーキテクチャ
  • Thumb/Thumb-2サブセット命令サポート
  • 3段パイプライン
  • 最大8領域のセキュリティ・アトリビューション・ユニット付きArmv8-M用TrustZone(オプション)
  • DSP拡張: DSP / SIMD命令(オプション)、シングル・サイクル16bit / 32bit MAC、シングル・サイクル・デュアル16bit MAC、8bit / 16bit SIMD演算
  • 浮動小数点ユニット: IEEE 754準拠の単精度浮動小数点ユニット(オプション)
  • セキュリティ状態当たり最大16領域付きメモリ保護ユニット(MPU)(オプション)
  • ノンマスカブル割込み(NMI)、8~256の優先度レベルで最大480の物理割込み
  • ウェイクアップ割込みコントローラ
  • 複数のスリープ・モード、割込み待ち(WFI)、イベント待ち(WFE) & スリープ・オン・エグジット機能内蔵、スリープ信号およびディープ・スリープ信号
  • 最大8つのブレークポイントと4つのウォッチポイント付きJTAGポートおよびシリアル・ワイヤ・デバッグ・ポート
  • 命令トレース(ETM)、マイクロ・トレース・バッファ(MTB)、データ・トレース(DWT)、およびインストルメンテーション・トレース(ITM)(オプション)
arm cortex m33 Arm Cortex-M33ブロック図(出典: Arm)

Arm® Cortex®-M33コアの主なメリット

Armv8-Mアーキテクチャ

Armv8-Mアーキテクチャは、低遅延プロセス用に設計されたプラグラマ・モデルを実装しており、保護されたメモリ・システム・アーキテクチャ(PMSA)に基づいてメモリ保護ユニット(MPU)を実装するためのオプションを提供します。システム全体のハードウェア・アイソレーションに対応したTrustZoneテクノロジーが組み込まれており、システムの機密性を実現します。

TrustZoneテクノロジー

TrustZoneは、システムに機密性完全性を提供するための安全で隔離された環境を構築し、チップをソフトウェア攻撃から保護します。伝送されるデータを保護しつつ、センサ内にAIやコネクティビティ機能を導入することができます。

Arm Cortex-M33プロセッサのTrustZoneセキュリティを活用することで、使い慣れたプログラミング・モデルを使用してソフトウェア・アイソレーションを実現し、最新のIoT機器に必要なセキュリティの基盤をより簡単に作成できます。

設計コストの削減 & システム設計の簡略化

Arm Cortex-M33に搭載されたデジタル信号処理(DSP)、SIMDおよびMAC命令は、設計コストの低減、システム設計全体の簡略化、ソフトウェア開発およびデバッグに貢献します。

Cortexマイクロコントローラ・ソフトウェア・インタフェース規格(CMSIS)が、Arm Cortex-Mプロセッサとそのペリフェラルに対する一貫したデバイス・サポートとシンプルなソフトウェア・インタフェースを可能にします。これにより、簡単にソフトウェアを再利用することができ、開発者は使い慣れた手法で新しいデバイスの開発を行うことができるため、開発期間の短縮に貢献します。

幅広いアプリケーションに対応

Arm Cortex-M33コアは、低遅延割込み処理、内蔵スリープ・モード、デバッグおよびトレース機能などの重要な機能を搭載しています。産業機器スマート・メータウェアラブル機器スマート・ホーム機器医療機器を含むさまざまなアプリケーションに最適なプロセッサです。

機械学習対応

機械学習機能を用いたユース・ケースによって、さまざまなデバイスおよび機械とのやり取りの方法が増え、変わってきています。Arm Cortex-M33プロセッサは、優れた拡張性と柔軟性を備え、さまざまな機械学習機能を実行することができます

サイズと消費電力に制約があるウェアラブル機器では、応答性を最大化するために常時、複数のセンサからの入力を処理する必要があります。Arm Cortex-M33の処理能力とセキュリティ基盤によって、伝送されるデータを保護しながら、センサ内にAIやコネクティビティ機能を導入できます。

Arm® Cortex®-M33をベースにしたマイクロコントローラ

STは、Arm Cortex-M33コアに、独自の低消費電力テクノロジーとセキュリティを組み合わせています。そのため、低消費電力、高度な処理能力、セキュリティが求められるアプリケーションに対応可能です。

Arm® Cortex®-M33開発キット

arm m33 development board supporting Arduino

NUCLEO-L552ZE-Q

STM32L552ZEマイクロコントローラおよびSMPSを搭載したSTM32 Nucleo-144ボードは、Arduino、ST Zioおよびmorpho接続をサポートしています

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