Arm® Cortex®-M3の概要

32bit Arm® Cortex®-M3コア・プロセッサは、コスト制約のあるアプリケーションにおける高性能およびリアルタイム処理実現のために設計されており、複雑なタスクに対応可能です。いずれのArm® Cortex®-M3搭載マイクロコントローラも、性能とコストの最適なバランスとともに高度な拡張性を提供します。

Arm® Cortex®-M3コアの主な特徴

  • Armv7-Mアーキテクチャ
  • バス・インタフェース3x AMBA AHB-liteインタフェース(ハーバード・バス・アーキテクチャ)、CoreSightデバッグ・コンポーネント用AMBA ATBインタフェース
  • Thumb/Thumb-2サブセット命令サポート
  • 3段パイプライン
  • ネスト化されたベクタ割込みコントローラ(NVIC)
  • サブ領域とバックグラウンド領域付き8 MPU領域(オプション)
  • ビットフィールド処理命令およびバス・レベル・ビット・バンディング内蔵
  • ノンマスカブル割込み & 8~256の優先度レベルで1~240の物理割込み
  • ウェイクアップ割込みコントローラ
  • ハードウェア・シングルサイクル(32 x 32)乗算器、ハードウェア除算器(2~12サイクル)、飽和調整のサポート
  • WFIおよびWFE命令とスリープ・オン・エグジット機能内蔵。スリープ信号およびディープ・スリープ信号、Armパワー・マネージメント・キットによる保持モード(オプション)
  • 最大8つのブレークポイントと4つのウォッチポイント付きJTAGポートおよびSerial Wire Debugポート(オプション)
  • 命令トレース(ETM)、データ・トレース(DWT)、およびインストルメンテーション・トレース(ITM)(オプション)
arm cortex m3 Arm Cortex-M3ブロック図

最新のArm® Cortex®-M3搭載マイクロコントローラシリーズ

小さいフットプリント

フットプリントが小さいコアであるため、小さいデバイスでシングル・コアとして使用することもできれば、特殊なハードウェア・アイソレーションやタスク・パーティショニングが必要な場合は追加の組込みコンパニオン・コアとして使用することもできます。シリコン製造テクノロジーの進歩により、リソグラフィ・プロセスは180nmから90nm以下へと進化し、現在、コア・シリコンの実装面積は90nmリソグラフィで0.03mm²に達しています。

Arm® Cortex®-M0およびArm® Cortex®-M0+と同様に、Arm® Cortex®-M3コアは、I/O、アナログおよび不揮発性メモリに基づく通常のマイクロコントローラ・アーキテクチャの要素間で生じるトレードオフにわずかしか影響しません。そのため、マイクロコントローラ・ポートフォリオの分割時にバス・サイズ(8bit、16bitまたは32bit)は関係なくなります。

Arm® Cortex®-M3搭載マイクロコントローラは、幅広く使用されており、以下のメリットがあります。

  • エントリ・レベルのアプリケーションの性能要件に準拠
  • 汎用アプリケーションにも最適
  • Arm® Cortex®-M3プロセッサのアーキテクチャは高度な拡張性を備えているため、さまざまなプロジェクト間で既存の設計を再利用可能
  • さらに、それによって、全体的な所有コストが削減され、開発ステップが容易化

10µW/MHz~150µW/MHzの動的消費電力

コアのダイナミック・パワーは、使用されているテクノロジーに応じて、10µW/MHz~150µW/MHzの範囲です。ただし、コア自体がデバイス全体の消費電力を表しているわけではなく、その他にも考慮すべき要因があります。そのため、製品のデータシートを注意深く調べることが重要です。

Thumb命令セットは、Arm Cortex-Mファミリのサブセットです。任意のArm Cortex-M製品に対して検証済みのソフトウェア・ブロックを再利用することで、製品の拡張性が向上します。

メモリ保護ユニット(MPU)

メモリ保護ユニット(MPU)がCPUのメモリへのアクセスを管理します。メモリや他のアクティブなタスクが使用しているリソースをタスクによる偶発的な破損から防御します。MPUは、通常、リアルタイム・オペレーティング・システム(RTOS)によって制御されます。

プログラムがMPUによって禁止されているメモリの領域にアクセスした場合は、RTOSがそれを検出して対処します。RTOS環境では、カーネルは、実行されているプロセスに基づいてMPUエリア設定を動的に更新します。MPUはオプション機能で、 それが不要なアプリケーションの場合はバイパス可能です。

Arm® Cortex®-M3をベースにしたマイクロコントローラ

Arm® Cortex®-M3コア開発キット

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