STM32Trust

セキュリティ機能は、いくつかの規制スキームで定義されてきました。STM32Trustは、これらのスキームすべてに対応しており、STのセキュリティ保証レベルを各種のアプリケーション認証スキームに対して割り当てることができます。

STM32Trustは、アセット保護のユース・ケースに合った12のセキュリティ機能とサービスを提供することで、適切なセキュリティ保証レベルを実現します

    これらのセキュリティ機能は、アセットの4つの主なカテゴリに焦点を絞ることで、以下を確保します。
  • IP保護
  • データ保護
  • セキュア・コネクティビティ
  • システムの完全性
STM32Trustの12のセキュリティ機能とサービス

1.セキュア・ブート

デバイス内部で実行されるアプリケーションの真正性と完全性を確保できます。

2.セキュア・インストール / アップデート

ファームウェアのインストールやアップデートの際、プログラミング前に完全性と真正性の初期チェックを実施します。

3.シリコン・デバイスのライフサイクル

状態を管理して、制限付き経路でシリコン・デバイス・アセットを安全に保護します。

4. アイソレーション

アプリケーションの信頼性の高い部分と低い部分を分離します。

5. セキュア・ストレージ

データや鍵などの機密情報を安全に保存(および外部から見えないようにこれらの情報にアクセス)できます。

6. 暗号化エンジン

セキュリティ保証レベルの指針に従って、暗号化アルゴリズムを処理できます。

7. セキュアな製造

セキュリティで保護されていない環境下での機器の初期プロビジョニングに対応し、過剰生産を制御します。セキュアなパーソナライゼーションも可能です。

8. 識別 / 認証 / 証明

デバイスやソフトウェア・パッケージの一意の識別と、その真正性を確認する機能を、デバイスの内外に実装できます。

9. ソフトウェアIP保護

特定のセクションやソフトウェア・パッケージ全体を外部または内部の読み取りから保護できます。マルチテナント構成が可能です。

10. 異常状況の処理

異常な状況(ハードウェアおよびソフトウェアの両方)を検出し、機密データの削除などの適切な対応をとることができます。

11. 監査 / ログ

変更不可能な方法で、セキュリティ・イベントを追跡します。

12. アプリケーションのライフサイクル

変更不可能な段階的状態を定義することで、アプリケーションの状態とアセットをセキュアに保護します。

次の各例では、セキュリティ・フレームワークが重要なセキュリティ・ユース・ケースにどのように対処するかを説明します。

セキュアな製造
セキュア・ブートおよびセキュア・アップデート
ブランド保護と識別
 
 
 
スマート玩具を設計している企業の場合

    重要要件
  • 製造時にファームウェアの盗用がない
  • 製造工場による過剰生産がない
  • 会社が所有していないデバイスのプログラミングをファームウェアで実行しない
  • 現場でのファームウェアの盗用がない
  • 現場で攻撃を検出する

必要なセキュリティ機能

  • セキュアな製造
  • ソフトウェアIP保護
  • セキュア・インストールおよびアップデート
  • シリコン・デバイスのライフサイクル
  • 異常状況の処理
  • 監査およびログ
技術装置を販売しており、ファームウェア・アップデート・サービスを提供したいと考えている企業の場合

    重要要件
  • ファームウェア・アップデートの対象を販売した機器のみとする
  • 製品の状態を常時把握する
  • 完全性を確保しながら更新を処理し、真正性のチェックを実行する
  • デバイス上で実行されているファームウェアの真正性を確保する

必要なセキュリティ機能



  • 識別 / 認証 / 証明
  • セキュア・インストールおよびアップデート
  • セキュア・ブート
リモート・サーバから一連のデバイスを管理している企業の場合

    重要要件
  • すべてのデバイスに一意の識別子がある
  • シングル・デバイスを認証する
  • デバイスのアクセス権を証明する
  • セキュアなデバイス通信を確保する
  • 識別子およびアクセス権の機密情報の漏洩が製造段階でも起きないようにする

必要なセキュリティ機能



  • 識別 / 認証 / 証明
  • 暗号化エンジン
  • セキュア・ストレージとセキュアな製造(セキュア・パーソナライゼーション)