Eヒューズ(電子ヒューズ)は、サイズの大きな従来型ヒューズやリセット可能なポリマ・ヒューズなどの保護素子を置き換えることができる集積回路です。これらはDFNやフリップ・チップなどの小型プラスチック・パッケージに格納されています。制御回路や低いオン抵抗を持つ電源スイッチを集積しており、入力ポートと負荷装置をつなぎます。
アプリケーション
従来型の回路保護とは違い、Eヒューズはきわめて迅速かつ正確なプロテクション介入を行ううえ、機械ヒューズなどとは違い交換も不要です。Eヒューズの代表的なアプリケーションは、HDD/SSDのアレイやサーバ、産業用およびネットワーク用のホットスワップ基板、さらには独立した外部ACアダプタから給電されるデバイスなどです。
製品タイプ
STが提供するクラス最高レベルのデバイス・ポートフォリオ
チャネル
Eヒューズ
チャネル
Eヒューズ
Eヒューズの仕組み
Eヒューズは、主電源レールと直列につなぐことで通常のヒューズと同じように動作し、過電流と過電圧を検出して即座に対応することができます。過負荷状態が生じた場合、このデバイスは出力電流をユーザが定めた安全な値に制限します。異常な過負荷状態が続く場合、このデバイスは開放状態に移行し、負荷装置を電源から分断します。過負荷電流の限界は外部抵抗によってプログラム可能です。
入力過電圧クランプ機能は、STの大部分のEヒューズで利用できます。そのため、入力電圧の過剰につながる電源調整の異常に対しても負荷装置を保護することができます。
電源オンの際、あるいはボードのホットプラグ時やホットスワップ時に、Eヒューズは、電源投入時出力電圧を徐々に線形かつ安定的に上昇させることにより、電源から負荷装置に流れ込む大きな突入電流を防ぎ、結果的に電源の過負荷を回避します。この機能が非常に有用なのは、同一のレールにさまざまな負荷装置がつながり、それに対し単一の電源が電力を供給しているというHDDアレイやサーバのようなアプリケーションの場合です。起動時間はソフトスタート容量を変更することで調整可能です。
STのEヒューズのラインアップの一部のデバイスでは障害発生後にラッチ・オフ・モードもしくは自動再試行モードで動作します。(Eヒューズはフォルト・ピンを使って、システム・コントローラに障害状況を伝達します。)前者では、ユーザがイネーブル・ピンを使用してリセットすることができます。後者では、障害発生後に自動的に動作可能待機状態への復帰を試みます。STEF01(完全プログラマブル可能汎用電子ヒューズ)では、ユーザがAutoピンを介してモードを設定することができます。
Eヒューズのメリット:
- 障害に対する素早いインテリジェントな反応
- メンテナンスの削減
- ホットプラグ / ホットスワップ機能
- 柔軟性の高いアプリケーション設計