VL53L7CX

概要

超広角FoVを必要とするアプリケーション向けに専用設計されたVL53L7CX ToF測距センサは、対角90°のFoVを提供します。VL53L7CXは、STのFlightSense技術をベースとしており、高効率のメタサーフェス･レンズ（DOE）をレーザ･エミッタ上に配置することで、60° x 60°の正方形のFoVをシーンに投影することができるようになっています。

マルチゾーン対応により、8 x 8ゾーンのマトリックス（64ゾーン）を提供し、350cmの距離まで60Hzの高速で作動することができます。

VL53L7CXは、距離閾値をプログラム可能な自律モードと超広角FoVを統合しているため、低消費電力のユーザ検出が求められるアプリケーションに最適です。STの特許取得済みのアルゴリズムと革新的なモジュール設計により、各ゾーンで、FoV内にある複数の物体を検出し、それぞれまでの距離を測定することができます。STのヒストグラム･アルゴリズムにより、60cmを超える距離でも、カバー･ガラスによるクロストーク耐性が維持されます。

VL53L5CXから継承された両センサのピン配置とドライバは互換性があるため、両センサ間の設計移行も簡単です。

VL53L7CXは、STのFlightSense技術をベースとするすべてのToF（Time-of-Flight）測距センサと同様、各ゾーンにおいて、対象物の色や反射率にかかわらず絶対距離を測定することができます。

VL53L7CXは、小型のリフロー対応パッケージにSPADアレイを集積することで、さまざまな周辺光の環境と広範囲のカバーガラスの素材に対応し、優れた測距性能を提供します。

STのすべてのToF測距センサは、VCSELを内蔵しています。このレーザは、目に安全な（クラス1認証）非可視域の940nm赤外光を放射します。

VL53L7CXは、ロボティクス、スマート･スピーカ、ビデオ･プロジェクタ、コンテンツ管理のような、超広角FoVが求められるアプリケーションに最適なセンサです。マルチゾーン対応と90°のFoVを組み合わせることで、ジェスチャ認識、ロボティクス用SLAM、スマート･ビルディング向け低消費電力システムのアクティベーションといった新たなユース･ケースに対応しやすくなります。