STM32WB09KE

概要

STM32WB09xEは、超低消費電力のプログラム可能なBluetooth® Low Energyワイヤレス･システム･オン･チップ（SoC）ソリューションです。STの最先端2.4GHz無線ペリフェラルを搭載し、超低消費電力と優れた無線性能を求めて最適化することにより、比類ないバッテリ寿命を実現しています。

ポイント･ツー･ポイント･コネクティビティに対応したBluetooth® Low Energy SIGコア仕様バージョン5.4とBluetooth® Meshネットワーキングに準拠しており、大規模なIoTネットワークを確実に構築できます。STM32WB09xEは、超低遅延アプリケーション向けの独自の2.4GHz無線通信にも適しています。

STM32WB09xEは、最大64MHzで動作するArm® Cortex®-M0+コア、およびBluetooth® Low Energyが必要とする重要なタイミング処理機能に対応した無線コア･コプロセッサ（DMAベース）を内蔵しています。

さらに、STM32WB09xEは、以下の専用ハードウェア機能が搭載された高度なセキュリティ･ハードウェアを実現します：NIST特別公報800-90Bをサポートする真性乱数発生器（TRNG）、128bit AES暗号化機能用のセキュリティc0プロセッサ、CRC計算ユニット、64bitユニークID、Flashメモリの読取り / 書込み保護、および公開鍵アクセラレータ（PKA）。

PKAは、剰余サイズが最大で3136bitのべき剰余などのモジュラ演算、素体スカラ倍算楕円曲線、ECDSA署名、剰余サイズが最大521bitのCRC計算ユニットを使用したECDSA検証、一定時間動作が可能なセキュリティ･レベルに対応しています。

STM32WB09xEは、スタンドアロンまたはネットワーク･プロセッサ･アプリケーションをサポートするよう設定可能です。スタンドアロン設定では、アプリケーション･コードとBluetooth Low Energyスタックを実行する単体のデバイスとして動作できます。

STM32WB09xEは、以下のハイスピード･メモリを内蔵しています：512KBのFlashメモリ、64KBのRAM、1KBの一度だけプログラム可能な（One-Time-Programmable：OTP）メモリ領域、および7KBのROM（ST予約領域）。

メモリ / ペリフェラル間およびメモリ間のダイレクト･データ転送は、DMAMUXペリフェラルによる完全で柔軟性の高いチャネル･マッピングが可能な8つのDMAチャネルにて行われます。

STM32WB09xEには、12bit ADCが搭載されているため、最大8つの外部ソースおよびバッテリ･モニタリングや温度センサといった最大3つの内部ソースを測定可能です。

低消費電力リアルタイム･クロック（RTC）および1つの高機能16bitタイマも搭載されています。

STM32WB09xEは、以下の標準および高度な通信インタフェースを備えています：SPI-I2S、LPUART、ISO 7816をサポートするUSART（スマートカード･モード）、IrDAおよびModbusモード、2x I2C（SMBus / PMBus対応）。

動作温度範囲は-40℃～+105℃（接合部温度+125℃）で、1.7V～3.6Vの電源で動作します。幅広い低消費電力モードを備えているため、低消費電力アプリケーションにも対応することができます。

STM32WB09xEには、高効率のSMPSステップダウン･コンバータと、VDDが1.65V未満に低下したときにデバイス･リセット動作を行うPDR回路が内蔵されています。

STM32WB09xEは、VFQFPN32とWLCSP36の2つのパッケージ･タイプで提供されます。どちらのバージョンも最大20のI/Oをサポートします。