ソリューション概要
STは、包括的な3相インバータ向けモータ制御ソリューションを提供しています。正弦波永久磁石同期型モータ(PMSM)のフィールド指向制御(FOC)を最大100 Wの公称電力で実装します。
STM32F303マイクロコントローラ(マイコン)によるデジタル制御ブロックは、FOCアルゴリズム、インテリジェント·パワー·モジュール(IPM)「STIPNS2M50T-H」から供給される電流およびモータから供給されるモータ回転数のフィードバック信号をベースに、STIPNS2M50T-H用の信号を生成します。電流およびモータ回転数のフィードバック信号は、オペアンプ「TSV994」によってマイコンのペリフェラル入力向けに調整されます。
STIPNS2M50T-Hは、モータ·アセンブリを占有しないように設計された、堅牢かつ小型のSLLIMM nanoシリーズ·パッケージに封止されており、ACモータ・ドライブとして機能します。また、3つの高電圧ハーフブリッジ·ゲート·ドライバICと6つのパワーMOSFETによって適切な相電流が生成されるとともに、さまざまなセンシングおよび保護機能により、堅牢なソリューションの実現に必要な多くの機能を提供します。
FOCアルゴリズムは、STM32向けモータ制御ソフトウェア開発キット(X-CUBE-MCSDK)を使用して開発することができます。アルゴリズム·コードの設定や生成をグラフィカル·ユーザ・インタフェース(GUI)から行うことができます。
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搭載製品の特徴
インテリジェント·パワー·モジュール: STIPNS2M50T-H
SLLIMM nanoシリーズ(小型・低損失インテリジェント・モールド・モジュール)は、モータ·アセンブリの過酷な条件や限られたスペース要件に対応するために設計された、優れた熱特性を備えた小型パッケージです。6つのMOSFET、3つの高電圧ハーフ·ブリッジ·ゲート·ドライバIC、減電圧ロックアウト、スマート·シャットダウン、内部温度センサ、NTC、過電流保護、内部オペアンプなど、包括的な機能を備えています。
DSP命令対応32bitマイコン: STM32F303
STM32F303は、Arm® Cortex®-M4を搭載し、FPUおよびDSP命令に対応する汎用32bitマイコン(最大動作周波数72MHz)です。FOCアルゴリズムを実行できるとともに、幅広いアナログ·ペリフェラルを集積しているため、コスト削減や設計の簡略化に貢献します。
高速オペアンプ: TSV994
TSV994は、20MHzのゲイン帯域幅(ゲイン4倍以上、100pFの出力負荷容量)と低消費電力性能を備えたクアッド·オペアンプです。高速かつ正確な信号処理を提供するとともに、5Vの動作時でわずか1.1mAに消費電流を抑えます。
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All Features
- 入力電圧: 125VDC~400VDC
- 公称電力: 最大100W
- 定格電流: 最大1.2A
- 入力補助電圧: 最大20VDC
- 電流検知用の1シャントまたは3シャント抵抗器(センシング·ネットワーク含む)
- 電流検知のオプション: 専用外部オペアンプ /内蔵
- SLLIMM nano SMDシリーズ·オペアンプ(単一) / マイコン
- 過電流保護
- IPMの温度モニタリング / 過熱保護
- ホール·センサまたはエンコーダ入力
- ブレッドボードとテスト用端子で追加評価を行うためのユニバーサル·デザイン
- FOC / 6ステップ·アルゴリズムをサポート
- 入力電圧: 125VDC~400VDC