SL-SNPSN011702V1

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STM32上で動作するニューラル・ネットワーク・モデルを用いた物体検出ベースの人数カウント・アプリケーション

ソリューション概要

空間の有効活用は重要であり、特に商業施設や産業機器を配置する場合には、限られた空間の効率的な使用が不可欠です。レイアウトや通路、生産ラインなどの調整において、人数カウント・テクノロジーは中心的な役割を担っており、空間や設備の最適化を図る上で鍵となります。

運用コストの削減、安全性の向上、サービス向上の改善に向けて、スマート・ビルディングやスマート・ファクトリ・ソリューションへの需要が高まっています。人流検出と人数カウンタのアプリケーションは、今日のポスト・パンデミックの世界における行列やソーシャル・ディスタンスのモニタリングに特に有効です。

特に、処理能力、メモリ・サイズ、消費電力上の制約があるバッテリ駆動のデバイスでは、ソフトウェア開発とハードウェア設計の簡素化が課題です。STのソリューションは、コスト・パフォーマンスに優れた超低消費電力のSTM32マイクロコントローラで組込みAI(人工知能)を活用することで、コストや設計上の考慮事項に対応しています。

システム構成

このシステムは、低解像度のイメージ・センサでデジタル動画をキャプチャし、高性能デュアルコアSTM32H7マイクロコントローラで効率的に処理します。このマイクロコントローラは、STM32用に最適化されたディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN)の出力に基づき、人数カウント・アプリケーション(FP-AI-VISION1)をエッジで実行します。

マイコンは、カウントした人数、キャプチャした動画、画像内の人物の位置に対応するバウンディング・ボックスを、接続されたLCD画面を介してローカルに、またはネットワーク経由で表示します。

その結果、STM32用に最適化された畳込みニューラル・ネットワーク(CNN)モデルを用いた物体検出アルゴリズムによって、人数カウント・アプリケーションのためのコスト・パフォーマンスに優れた低消費電力のソリューションが実現しました。

  • 搭載製品の特徴

    STM32H747XIH6DSPおよびDP-FPU命令を搭載した高性能デュアルコア・マイクロコントローラ

    Arm® Cortex®-M7およびCortex®-M4コアを搭載したこのマイクロコントローラは、受信したデジタル・ビデオ信号を管理するために必要なペリフェラルと、最小限の消費電力で迅速かつ正確な人数カウント・アプリケーションを実現する処理能力とメモリを備えています。

    FP-AI-VISION1組込みAI(人工知能)を用いたコンピュータ・ビジョン・アプリケーション向けのSTM32Cubeファンクション・パック

    このソフトウェアは、STM32CubeMX用AI拡張パック(X-CUBE-AI)を使用して生成した学習済みモデルをベースに、STM32ニューラル・ネットワーク・ライブラリを使用して、高度なコンピュータ・ビジョン・アプリケーションを実装します。

  • All Features

    • リアルタイムの人数カウント・アプリケーションで、畳込みニューラル・ネットワーク(CNN)モデルを用いた物体検出アルゴリズムをベースに実装したファームウェア
    • エッジ処理アプローチにより、集中型クラウド・ソリューションよりも少ない消費電力と短い遅延時間を実現し、精度と個人のプライバシーに重点を置くことが可能
    • マイクロコントローラの内蔵メモリに合うように最適化されたAIモデルにより、効率的な低消費電力実装を実現
    • STM32Cube開発エコシステムにより、さまざまなSTM32マイコン・シリーズ間での容易な移植を実現