洗濯機の中の衣類の重量を、AIを使ってより正確に測定すれば、これまでにない節電と節水を実現できます。
NanoEdge AI Studioが生成するAIモデルは、電流信号の特徴を分析・学習することにより、従来のアルゴリズムと比較して測定精度を大幅に向上させます。
これは、組込みAIとNanoEdge AI Studioの組み合わせが可能とするユース・ケースの一例に過ぎません。 これと同じアプローチを、他の生活家電や産業用機器の多くにも簡単に適用できます。
アプローチ
このユース・ケースでは、ドラム内に投入された衣類の重量に基づいて、消費すべき水とエネルギー量を正確に予測し、洗濯機のサイクルを自動的に最適化する方法を示します。 その手順は、次のとおりです。
- 電流信号は、モータ制御ループから直接測定します。
- 様々な重量の条件を再現するために、マグネットを使用しました。
- NanoEdge AI Studioの「外挿」アルゴリズムを使用することで、ドラム内の衣類の重量を正確に測定する回帰機械学習モデルを短期間で構築できました。 推定重量の最大誤差は100gでした。これは、市場に出回っている最新のソリューションよりも3倍優れた値です。
- 次に、この機械学習ライブラリを、モータ制御アルゴリズムとして、同じマイクロコントローラに移植しました。 NanoEdge AI Studioで最適化したライブラリはマイコンの内部メモリに格納できました。
これ以上、他のセンサやネットワーク接続を追加する必要はありません。AIの処理が装置自体のモータというセンサのごく近傍で行われているからです(Deep Edge AI)。 信号をマイコン上で直接処理するため、セキュリティや安全性が向上し、エネルギーとコストが削減されます。意味のあるデータだけが出力、処理されるからです。
センサ
データ
データセットラベルとして重量の値が付加された電流信号(ご要望に応じて提供可能)
データ・フォーマット時系列
結果
R-Squared:
99.96%の精度、10.6KバイトのRAM、9.5Kバイトのフラッシュメモリ