ステッピング・モータ・ドライバは、ステッピング・モータを駆動する電動コンバータです。通常、50Hz / 60Hzの安定した電源から給電されます。
ステッピング・モータには永久磁石を内蔵したロータが搭載されており、通常は次の2種のトポロジで構築されます。
- 2つのコイルを備えたバイポーラ・ステッピング・モータ
- 1つのコイルを備えたユニポーラ・ステッピング・モータ
1度に1つのコイルにのみ給電する場合、ステッピング・モータは磁石から磁石へと移動し、フルステップ・モードの動作で1回転ごとにステップを重ねます。特定のPWMパターンで同時に両方のコイルに給電する場合、ステッピング・モータは、2つのステップ間においてロータをさまざまな角度で効果的に位置決めできるため、はるかに高い精度を実現できます。これを、マイクロステッピング動作と呼びます。
アプリケーション例
ステッピング・モータ・ドライバは、非常に高い精度と再現性が必要な低~中消費電力のモータを使用する産業用位置制御アプリケーション向けのソリューションです。位置フィードバックにより、精度と再現性をさらに高められます。ステッピング・モータ・ドライバは、プリンタ、電動ポジショナとバルブ、サーボ・モータなどのアプリケーションに対応できます。
主な課題
- 精密なマイクロステッピング制御による位置決めの優れた精度と再現性
製品 & ソリューション
STは、32bit汎用マイクロコントローラSTM32やSTM32MPxマイクロプロセッサ(MPU)に加え、整流ダイオード、サイリスタ、IGBT、パワーMOSFETなどのパワー・ディスクリート・デバイス、さらにマイクロ・ステッピング制御搭載のモノリシック・モータ・ドライバを幅広く提供することで、数百ワットまでの拡張性が高い小型のパワー段の構築をサポートしています。
またSTは、幅広い高性能オペアンプとコンパレータ、スイッチング・レギュレータとリニア・レギュレータ、MEMS慣性センサと環境センサ、および機械学習を用いた慣性測定ユニットのほか、開発期間の短縮やコスト削減に役立つさまざまなソフトウェアおよびハードウェア評価ツールも提供しています。