STM32H562II

概要

STM32H562xxおよびSTM32H563xxデバイスは、高性能Arm^® Cortex^®-M33 32bit RISCコアをベースとするSTM32H5シリーズの高性能マイクロコントローラです。最大動作周波数は250 MHzです。

Arm Cortex^®-M33コアには、単精度の浮動小数点ユニット（FPU）が搭載されており、Arm^®の単精度データ処理命令およびデータ型をすべてサポートしています。

また、Arm Cortex^®-M33コアは、DSP（デジタル信号処理）命令セットとメモリ保護ユニット（MPU）を備えているため、アプリケーション･セキュリティの強化に貢献します。

本製品には、ハイスピード･メモリ（最大2MBのデュアルバンクFlashメモリと640KBのSRAM）、100ピン以上のパッケージで提供されるデバイス用の柔軟性の高い外部メモリ･コントローラ（FMC）、1個のOCTOSPIメモリ･インタフェース（すべてのパッケージで少なくとも1個のQuad-SPIが利用可能）と、3個のAPBバス、3個のAHBバス、および32bitのマルチAHBバス･マトリックスに接続されたI/Oおよびペリフェラルが組み込まれています。

本製品は、Arm^®によるTBSA（Trusted-based Security Architecture）要件に準拠したセキュリティ基盤を提供します。セキュア･ファームウェア更新を実行するための機能が組み込まれています。さらに、顧客が本番稼働中にコードのプロビジョニングのセキュリティを確保できるセキュア･ファームウェア･インストールも組み込まれています。複数の保護レベルと安全なデバッグ認証により、柔軟性の高いライフ･サイクルを管理できます。保護可能なペリフェラル、メモリ、およびI/Oや、ペリフェラルとメモリの特権設定により、ファームウェアとハードウェアを隔離できます。

本製品は、内蔵FlashとSRAM用に読出し/書込み保護やセキュア非表示保護領域などの機能を有しています。

HASHハードウェア･アクセラレータと真性乱数発生器といった専用のペリフェラルによりセキュリティが強化されます。

本製品は、攻撃を受けた場合、機密データを消去する内部モニタにより、アクティブ･タンパ検出と過渡摂動攻撃や環境摂動攻撃に対する保護を提供します。これは、POSアプリケーションのPCI要件を満たすために役立ちます。

本製品は、2個の高速12bit ADC、2個のDACチャネル、内部電圧リファレンス･バッファ、低消費電力RTC、2個の32bit汎用タイマ、2個のモータ制御専用16bit PWMタイマ、8個の16bit汎用タイマ、2個の16bit基本タイマ、6個の16bit低消費電力タイマを備えています。

また、標準および高度な通信インタフェースとして4個のI²C、1個のI3C、6個のSPI、3個のI2S、6個のUSART、6個のUARTと1個の低消費電力UART、2個のSAI、1個のデジタル･カメラ･インタフェース（DCMI）、最大2個のSDMMC、最大2個のFDCAN、1個のUSBフルスピード、1個のUSB Type-C^® / USB Power Deliveryコントローラ、Ethernetインタフェース（STM32H563xxのみで使用可能）も備えています。

動作温度範囲は、-40℃～+85℃（接合部温度+130℃）および-40℃～+125℃（接合部温度+130℃）で、電源電圧範囲は1.71V～3.6Vです。

幅広い低消費電力モードを備えているため、低消費電力アプリケーションにも対応することができます。

ADC、DAC、USB用の3.3V専用電源入力、いくつかのGPIOおよびSDMMC用の専用電源入力といった独立電源に対応しています。VBAT入力は、バックアップ･バッテリを接続したり、RTC機能を保持したり、32個の32bitレジスタと4KB SRAMをバックアップするのに使用されます。

本製品は、64ピンから176ピンまでの8つのパッケージで提供されます。

すべてのパッケージは、V_COREの電源オプションとしてLDOまたはSMPSを備えています（ただし、LQFP64およびVFQFPN68パッケージはSMPSを、WLCSP80はLDOを除く）。